「女子サッカーを文化にするために」~2017年に実行したこと | ヒロ・ゴラッソ

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  「女子サッカーを文化にする!」

 
 なでしこジャパンの前主将MF宮間あやは、常々そう言葉にしていた。2011年のFIFA女子W杯ドイツ大会優勝で一気にブームとなった女子サッカーの人気向上・環境改善・地位向上を“ブーム”を越えた“文化”となるように訴えていた。
 
 しかし、なでしこジャパンが2012年のロンドン五輪準優勝、2015年のFIFA女子W杯カナダ大会準優勝という主要大会3大会連続のファイナリストという驚異的な結果を残し続けた5年間を経て、2016年のリオディジャネイロ五輪出場権を逃すと、その熱は一気に冷めた。
 
 リオ五輪アジア最終予選敗退直後には、サッカーの内容ではなく、ゴシップ記事やスキャンダラスな批判的報道で片付けられる始末だった。パスサッカーがどうだこうだ、と結果が出ている時には威勢良く書かれていた各媒体に、リオ五輪予選敗退の要因をしっかりとサッカーの中身の部分で伝わるような記事は皆無に近かった。せめて男子サッカーと違って、アジア各国の女子サッカーのレベルが世界のトップクラスにあることを伝えてくれれば良いものを・・・。
 
 そしてリオ五輪予選敗退から1年が経った2017年3月、今季の『プレナスなでしこリーグ』開幕を1週間前にして発表されたのが、今季のなでしこリーグの放映権がどこにも売れていないこと。単発の中継・放送はあっても、毎週試合中継が観れる媒体がなくなったのだ。開幕どころか、閉幕のような発表だった。
 
「女子サッカーを文化にする」ために、自分にできること
 
 この発表を知って筆者も、「女子サッカーを文化にする」、ために行動をとった。
 
 具体的に言うと、平日は社会人として仕事をして過ごしながら、週末は、「女子サッカーの現場を取材しよう」、と、決め、その時の気持ちは下記の記事に表現してみた。
 
【関連記事】『「女子サッカーを文化にする」ために、できること』
 
 ただ、なでしこジャパンやなでしこリーグは観ていたものの、取材なんてサッカーどころかオールジャンルとっても1度もしたことはなかった。女子サッカー界にコレと言った人脈もないし、カメラマン役などを手伝ってくれる人もいなければ何もない。1人でやるしかなかった。
 
 それでも女子サッカーの記事を書きながら、少しずつ取材申請の許可をいただけるようになっていった。コンタクトをとっていただくクラブも増えていった。同じチームを継続的に観ていく楽しみは当然として感じる中、それだけではあまり意味がない。
 
 なでしこリーグ1部はまだ大手メディアも報じる媒体もあるし、筆者も尊敬するライター=松原淫さんを始め、少ないながらも女子サッカーの内容を丁寧に取材されているライターさんもいる。
 
 そんな中、関西在住の筆者としては、大阪府・兵庫県・岡山県・愛媛県のクラブだけで全10チーム中の過半数を越える6チームが所属していた『プレナスなでしこリーグ2部』を中心に取材していくのが、女子サッカーファンのため、地域のため、自分の生活環境などを考慮した「ポイント」だ、と勝手ながら思い込んで取材活動を続けた。
 
転機となった、千葉園子へのインタビュー
 
 その中で大きな出来事となったのは、なでしこジャパンにも選出されている、なでしこリーグ2部・ASハリマ・アルビオン所属のFW千葉園子選手へのインタビューだった。
 
 まさか取材活動を始めた初期に、そのちょうど1年ほど前のアメリカ遠征で代表デビューした選手にお話しを伺えるとは思ってもみなかった。それまでも他のクラブで試合後の選手の談話を聞く機会はあったものの、1対1で10分以上も話す機会はなかっただけに、かなり緊張した。
 
 筆者も中学・高校とサッカーをプレーして来たが、曲がりなりにも、「こういうプレーをしたい、こういう選手になりたい」という理想像があった。FWもサイドMFもトップ下もボランチもプレーして来た筆者にとって、千葉園子という選手が体現するプレーはサッカー選手としての理想像だった。
 そんな自分の理想像であり、代表選手でもある千葉園子選手の取材を経験したことで半信半疑どころか、疑問だらけだった自分の取材も少し自信が持てた気がした。だから千葉園子選手には本当に感謝しています。
 
【関連記事】『「なでしこ2部の宝」ASハリマ・アルビオンFW千葉園子インタビュー~代表定着も経験した自身とハリマの現在地とは?』
 
 ただし、記事内にも書かせていただいた通り、そんな代表クラスの選手も普段はフルタイムで働いている。なでしこリーグ1部所属の選手でも、完全なプロ契約選手はリーグ全体で10人いるかどうか?の世界なので、2部所属では当たり前なのが相場。
 
 これが現実なんだ、と思う中、逆に3部相当のプレナス・チャレンジリーグEASTのノルディーア北海道所属のFW星山彩香選手はプロ契約を結んでいる選手。彼女と話していると、チーム唯一のプロ契約としてのプレッシャーの大きさも感じた。彼女自身はそれを乗り越えられるポテンシャルがある選手だが、チームスポーツであるサッカーという競技において、数人だけがプロ契約を結ぶこと自体は環境改善の策でもないという実感は女子サッカー界全体を見渡しても感じる。
 
 それでもドイツW杯優勝当時のなでしこリーグでは、代表選手が勢揃いしたINAC神戸レオネッサ相手に何もできないチームばかりだったのに対して、現在は昨季1部昇格初年度ながら3位へと大躍進したAC長野パルセイロレディースや、今季1部初昇格&残留に加えて皇后杯決勝進出も果たしたノジマステラ神奈川相模原、今年2部所属ながら代表選手2人を輩出した愛媛FCレディースなどは独自のスタイルを持つ積極的なサッカーを志向していて競技力の向上を確実に感じさせていた。

 

バニーズ京都SCの2部昇格

 そんな中、ほとんどのチームが<4-4-2>のオーソドックスなサッカーをするチャレンジリーグで、一際異彩を放つサッカーを継続しながら、今年になってさらにブラッシュアップして来ていたバニーズ京都SCの2部昇格が懸かる試合を4試合+練習日1日取材させていただく機会をもらいました。
 
 1人の観戦者として観客席で色々とメモを取りながら観ていた完成度の高いパスサッカーには、ボール保持時と守備時で明らかに並びが変化する可変型システムを採用していたり、サイドバックが中盤の内側でボールを受ける場面も頻繁に見られていたので、特に気になっていたチームだった。
 
 そんなバニーズの実際の練習を1日間近で観たり、監督や選手からもお話を伺う機会もあって、たっぷりと取材させていただいた上で、バニーズが2部昇格を勝ち取ったのは本当に嬉しかったし、バニーズが2部で戦う意味は、女子サッカー界にとって大きいモノがあると思う。
 
 こうやって1年間、いやこの10カ月間を過ごして来た中、本当に色んな人々と知り合う機会をいただきました。
 
 そんな話などを振り返った記事を年始からリリースしていきたいと思いますので、来年もよろしくお願いします!それでは良いお年を('◇')ゞ
 
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