ガンバ大阪DF西野貴治がキャプテンを務めるU21日本代表が参加しているU22アジアカップ。日本は開幕から2戦連続のドローでグループリーグの最終戦となる第3節オーストラリア戦にはグループリーグ突破のためには勝利が必要という条件で行われました。
これまではまだチームが固まっていなくて内容も乏しかったため、西野に特化した記事を書いてきましたが、この第3戦で快勝を遂げました。せっかくですので、この豪州戦ではU21日本代表チームの選手、チームとしての特徴、手倉森監督の狙いなどを簡単に分析、紹介したいと思います。
オーストラリアはすでに2連勝でグループリーグの首位通過が決まっていたこともありますが、日本は今年に入ってから結成されたチームなので、試合ごとにチームがまとまってきている事を証明するためにはいい相手でしたし、実際にそれを証明できた試合となりました。
システム変更で中盤でのボール奪取を強く意識
~シュートカウンターに適した攻撃陣の組み合わせ
グループリーグは中1日で行われる過密日程のため、第2戦は初戦から先発メンバーを7人変更して戦った日本。この第3戦はCB西野貴治&植田直通、CF鈴木武蔵の3人が3試合連続先発となる一方で第2戦から先発メンバーの変更は6人。システムもこれまでのオーソドックスな【4-4-2】から【4-3-3】に変更し、中盤の底にDF登録の吉野恭平を置く事でオーストラリアのシステム【4-2-3-1】に対してマッチアップを合わせたような布陣で挑みました。ここまで2戦連続引き分けとはいえ、第1戦(3-3)で活躍した攻撃陣と第2戦(0-0)で完封した守備陣を融合させた”現状のベストメンバー”を上手く編み出した印象です。
実際に開始早々こそピンチはあったものの、中盤の3人の柔軟なカヴァーリングとポジションチェンジがあっての連動したプレスが効果的にハマり、ショートカウンターを繰り出す場面が徐々に増えていきます。また、そのショートカウンターになった際に有効なのが個人技で”違い”を作れる中島翔哉と積極的に裏へ抜ける動きで相手DFをかく乱させる矢島慎也という両サイドに起用されたアタッカー。彼等2人の個性が最も活きやすい戦術の選択が見事にマッチしました。
先制点は左サイドでボールを奪ってからの密集地帯を中島が個人技で打開して中央で喜田拓也がサポートしてバイタル右でギャップに入ってフリーの矢島へ。矢島がトラップした際に中島がエリア内にフリーで入ってきた瞬間に速いグランダーのショートクロスを、見事にダイレクトで中島が蹴り込んで先制。おそらくダイレクトでシュートしないとコースすらなかった中島の高等テクニックと決定力の高さが光りました。
さらに直後には相手最終ラインのボール回しを、中盤から喜田が積極的にチェックし、周囲も連動したプレスで奪い切って即座の前線へのフィード。右サイドに流れていた中島がDFライン裏に抜け出し、逆サイドから中へ入って来た矢島へ丁寧なグランダークロスを供給し、矢島が難なく流し込んで2点目。
これで相手の戦意は完全に喪失。前半終了間際に左SB山中亮輔のクロスを怠慢な守備でオウンゴールで3点目、後半開始早々にはハンドでPKをもらって4点目と至って以降は日本も無理しない試合展開を選択。すでにグループリーグ2位通過となった場合は準々決勝の相手となるグループDの首位がイラクと決まっていたので手の内を見せる必要もないとなった事でしょう。
それでもこの後に途中出場した石毛秀樹、幸野志有人、荒野拓馬にはもっと自信のアピールを頑張って欲しかったですが・・・。特に2011年のU17W杯で3ゴールを記録してアジア最優秀若手選手に選ばれた石毛が今大会では全く輝きが見られないのが寂しい。また、幸野はJFAアカデミー出身のプロ契約第1号選手として有名ですが、昨年のJ2を1年間観ていた僕としては彼のワンタッチで前を向けるボールコントロールは香川真司に匹敵するものがあるので、この2人がフィットしてきた場合は攻撃のオプションが大きく広がるので今後も途中出場とはなるでしょうが、ある意味では手の内を見せていないので決勝トーナメント以降に真価を発揮してくれる事を期待しています!!
連続完封で信頼獲得。主将らしさ出てきた西野
~ただし右SBとの連携に不安残る
そんな中で、3試合連続キャプテンマークを巻いた我等が西野は、試合前のコイントスから主将ぶりを発揮してました。コイントスでなんと前半からのエンドを変更し、その甲斐あって前半の3ゴール連発もありました。今大会では3試合連続フル出場しているのは彼と植田のCBコンビを組む2人のみ。その植田との連携はチャレンジ&カヴァーの際などで良くなって来ました。しかし、右SBに川口尚紀が入る際には苦戦しています。川口が西野のポジショニングに対して不安を感じるのか?初戦もこの3戦でも相当に中央に絞ったポジショニングを取っているのです。これは彼が所属するアルビレックス新潟での守り方なのかもしれませんが、リスク管理を優先しているポジショニングのつもりでしょうが、これが攻守両面で穴になってしまっています。ここがこのチーム最大の修正ポイントで、西野にも解決に力を尽くしてほしいと思います。右SBは松原健がプレーした初戦の後半から第2戦は彼が対人能力の強さも発揮していたのですが、この3戦は累積警告で出場停止。準々決勝では彼が先発復帰する事で改善されることを祈ります。
【チーム編成】MF陣の力量不足も、采配で巧みに補修
~今後は2列目の選手の台頭でバリエーションを拡げられるか!?
3試合を終えてチームとして固まってきた”手倉森ジャパン”。右サイドの修正ポイントと共に選手としての力量を考えると、ウイークポイントになるのは中盤のセンターとなるでしょう。ここまで吉野、喜田、原川力、為田大貴が起用されているのですが、このポジションにJリーグで実績のある選手が皆無な事と攻撃力よりも守備力に特徴がある選手が多い事がチームの攻撃面での物足りなさを感じさせるに至っている要因に繋がっているでしょう。手倉森監督がベガルタ仙台で守備力の高い角田&富田をボランチコンビとして採用している戦術面での趣向がこの人選に如実に出ていると思います。
ただし、その中で初戦でミドルシュートによるゴールを記録した原川はJリーグで実績はないものの、攻撃面ではそのミドルシュートで何度か鋭さを見せつつ、前線のサポートをこなしています。彼が唯一攻撃面に特徴がある選手なのですが、やはり2人で中央を任せさせるには守備面で不安があります。そんな中で迎えた第3戦でDF登録の吉野をアンカーに起用して3人で中央を担当して事で彼の特徴も出しやすくなったと言えますね。今後は2列目タイプの幸野や石毛が台頭してきた際にどうなるかが気になりますが、選手の力量を手倉森監督が適切に見極めた巧妙な采配が光ってますので大会を通したチーム作りに期待しています。
そして、3試合を終えたところで日本チームからMVP的な選手を選出するとすれば左SB山中でしょう。初戦は連携不足で守備面で弱点を露呈したものの、出場した初戦も第3戦も前方の中島を強力にサポート。長友佑都ばりの迫力溢れる上下動でサイドを制圧し、オウンゴールを導いたクロスも供給。ゴールライン際まで持っていく突破力も魅力の選手ですね。今大会もそうですが、今季のJリーグでも注目の選手になるかもしれませんね☆
以上、中3日となる準々決勝を日本時間で火曜日未明に迎えるU21日本代表特集でした!!
本田だ、香川だ、ブラジルW杯だ、ファルカオだ、とかで全く特集されていない今大会と選手達にも興味w持っていただけましたか!?イラクは是非とも準々決勝を見てあげてくださいね☆
こうして僕も本田見てますが・・・・(笑)サンドウィッチはサブウェイの新商品=生ハム&アンチョビポテトです。なかなか美味しくヘルシーなのですが、あらびきソーセージメルトとか、生ハム&マスカルポーネチーズ、エビ&アボカドなどがオススメです。御賞味あれ☆
J1昇格後のガンバでの起用法、ポジション、長谷川監督のサッカーとの相性から、核心に迫る名言や、練習場などで会話したこぼれ話なども書き込みください☆
[Amebaグルっぽ ]
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