ロジャー・ハインツのベアー | Viva '60s SurfStyle!!!

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1960年代のカリフォルニアサーフスタイルに心を奪われた男の独り言。

昨年末の事だった・・・

カリフォリニアのロジャー・ハインツとの電話でのやり取りで、こんな事を彼は云い始めた・・・

 

「ベアーとの契約が切れた」

「今後、私がベアーを削る事はないだろう」

と、俺にとっては少々衝撃な内容だった。

 

今更語るまでもないが、ベアーとは映画「ビッグウェンズデー」にて登場した架空のサーフボードレーベルである。

 

 

劇中でマット・ジョンソンのライダースタントを担当したビル・ハミルトンが立ち上げたのが始まりである。

 

 

当初、版権元のワーナーも監督のジョン・ミリアスも大きな出来事とは認識していなかったが、ビル・ハミルトンの所へ世界中からオファーが入り、大きなビジネスになっている事を耳にすると、やがて、裁判沙汰となり、アメリカ特有の弁護士の力関係でビルは敗訴し、彼の手からベアーは離れて行った。

 

 

その後のベアーサーフボードの活動は周知の通りで、多くのシェイパーによって様々な仕様で削られる事となる訳だが、それらの大半がハワイアンテイストの味付けが成されたボードが多く、俺が初めて入手したベアーも同様であった。

 

 

そんな中、カリフォルニアに拠点を置いていたロジャー・ハインツだけが劇中の時代設定にマッチしたボードを創り上げる事が出来き、俺の心を擽り続けていた。

 

 

その後の模様はこれまでにも綴って来たので省くが、そんなロジャーのベアーとの決別・・・

冒頭に綴った様に残念でならない。

 

 

サーフボードで重要なのはシェイパー存在である。

 

 

シェイパーが尊敬に値する人物なのか?

彼らがこれまでに何を残して来たのか?

彼らのサーフボードに対する向き合い方。

サーファーとの距離等‥・

 

 

様々な事柄が絡み合ってサーファーにとって「良いボード!」と称されるのだ。

よって、その価値観はサーファーによっても異なるだろうし、己だけが自画自賛出来れば良いのではないかと思う。

 

 

俺の中ではベアーはロジャーでなければ駄目な訳だ。

彼とのミーティングでの結晶によって生まれた唯一無二のベアーでなければベアーを有する意味も意義も無いのだ。

 

 

これまでに彼が俺の為だけに創ってくれたベアーのコレクション・・・

左は1962年にマット・ジョンソンが乗っていたであろうと仮説を立てて創ってもらったPIG。

中央は監督のジョン・ミリアスが「聖なる剣」と称したバルサボードを俺の解釈で創ってもらったバルサPig。

そして、右は同じく1962年にジャック・バーロウが乗っていたと仮説を立てて創ってもらったPig。

 

 

それらの全てがカリフォルニアのサーフボード文化を知り尽くしたロジャー・ハインツによって創られ、そして、ベアーのディケールが付く。

この度、幸運な事に「最後の1本をどうだ?」と声が掛かったのだが、俺の中でのベアーは完結したので断ると・・・
彼は後日連絡をくれ、「最後の1本はイギリスのサーファーが君と同じバルサのPigを手にした」と教えてくれた。
 
 
手にした3本のベアー・・・
ロジャーに心から感謝をしている。
 
 
Keep Surfing!!!!!