いつの事だったであろうか?
あれは確か?20世紀が終わりを告げようとしている頃だった様な気がする。
日本のサーフマーケットでは急激にあるレジェンドのサーフボードが急騰し始めていた。
ヴィンテージが40万円前後で売り買いされる中で、そのボードはそれらと同等、いや、遥かに凌いでいた事もあったのではないだろうか?
実は彼の奥さんが議員に立候補するらしく、「彼は奥さんを支える為に暫くはシェイプと距離を置くらしいんだ・・・」と、当時こんな情報が入って来た。
それまでも、ハンドシェイプに拘り、「所有しているだけでもステータス」と、世間に云わしめていた伝説の巨匠のサーフボード。
今回のボードは俺の中ではかなりの異端児的なサーフボードである。
サーフボードのペットネームは「イーグル」。
そう、今回のボードは泣く子も黙る?スキップ・フライのボードである。

当時の俺のスキップ・フライの認識はゴードン&スミス出身で、マイク・ヒンソンの弟弟子みたいなイメージしかなく、「何故、スキップが流行っている?」のかさえ解らなかった。
そんな折に、ベルジ-にハマって頻繁に通っていたエムズの三井さんからスキップの事を色々と教えて頂き、当時の勢いに乗じて入手した次第である。
しかし、この当時は今以上にサーフィンの伊呂波が解らず、ただ所有しているだけの状態で、ノーズに行く事も出来ない為、ノーズ部分のワックスを塗らぬままの状態であった。

ただ、このノーズにワックスを塗らないという行為は、スキップのボードを堪能している者達の間では当たり前の行為であった様で、「グライダーは優雅にサーフィンを楽しむモノ」との精神からスッキプ好きサーファー達からは「解っているねぇ」と云われる始末であった。
また、この時代の俺はボードを取り扱う事に関しても非常にお粗末であり、所々にクラックの痕跡が垣間見えてしまっている。

イーグルはスキップ・フライの代表的なボードで、彼が「One California Day」の中で見せたライディングは、このボリューミーなレールから繰り広げられるのであろうか?

スキップのボードを所有して彼是20年近く経つ訳だが、実の所、殆ど乗らず仕舞いで放置が続ていたが、先日、後輩とガレージを整理している最中に見付り、「是非、乗ってみたい!」とのリクエストをもらった。
スキップ・フライ・・・
1960年代のサーフィン全盛期に活躍したレジェンドとしてはランス・カーソン同様に「最後のレジェンド」として称される一人である。
まだまだサーファー泣かせの寒気が漂う気候が続くが、早々にこのディーケールと・・・

このサインを拝みながら真冬のサーフィンを楽しみたいものである。

俺のお粗末な技量であるが、何れレビューでもしてみたいと思っています。
Keep Surfing!!!