3枚パックのTシャツは衣料品の枠を超えて様々な事業体で売られいた。
後にも先にも、この時代の販売数が最高であって、これ以降はヘインズのパックTは至るべきところでしか購入出来ないニッチなアイテムと化してしまっている。
この国内最高の販売量を誇ったヘインズだが、実はカリフォルニア州おいての年間販売量にすら満たないというではないか。
比較するのもどうかと思うが、やはり、大国アメリカは全てにおいてスケールが大きいと当時は思ったものだ。
当然、この現象はサーフィン業界にも同様の事が云える訳で、事、シェイパーに限ってもその数は日本で活躍するシェイパーの比較にはならない。
本日は、そんな多勢のシェイパーが犇めきあうカリフォルニアの若きシェイパーを紹介したいと思う。
彼の名はニコラス・エリオパウロス。
彼の親しい知人達はニックと彼を呼ぶらしい。
ニックは昨年からテスト的ではあるがシェイプ活動を開始した。
多くのシェイパーが犇めき合うカリフォルニアで、また一人若きシェイパーが産声を上げたのだ。
彼が活動するレーベルはグリーク・フル・カスタム。
ギリシャ語で「完全なるカスタム」と云う意味がある様で、彼がシェイプをどれだけ重んじているのかがレーベルネームから推測が出来る事であろう。
ディティールデザインは俺的には少々受け入れ難い?スカルデザインとなっている。

彼のシェイプ活動はハルボトムから始まったのだが、俺は丁重に「サーフィンの方向性が合わないよ」、「君がロング、いや、PIGを削る様になったら連絡をしてくれ」と断ったのだ。
ニックは、その時のやり取りをしっかり覚えていたかの様に、「ハルを削り終えたから貴方のボードを削らせて欲しい!」、「今、○○の9ftのテンプレートを入手したので、これを使いたい!」と再び直談判して来たのだ。
○○か・・・
「ニック、俺は○○の事は良く知らないんだ」、「そっち系のボードには興味が無いんだよ」、「君がPIGを削るんだったらお願いするよ」と再び断った。
するとニックは・・・
「あなたはランス・カーソンを尊敬しているよね?」
「僕はランスからシェイプの指導を受けているんだよ」
「ランスだけでは無い、僕の周りにはジーン・クーパーやアダム・ダベンポートも居るんだ」
「僕にはあなたの望む最高のボードを削る環境がある」
と、アピールして来たのだ。
「解ったよ。では、PIGをお願いしよう!」、「俺が求めるPIGは・・・」と、俺自身のPIGへの想いをニックに伝えた。
ニックは透かさず、「この要望をランンス達にも報告して相談するよ」と、返事を残した。
そして、その解答には驚くべき提案があったのだ。
と、その前にニック事、ニコラス・エリオパウロスとはいったいどんな人物なのか?
次回の更新では、その辺りを書き綴ってみたいと思っています。
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