ランスカーソンのノーズライダー | Viva '60s SurfStyle!!!

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1960年代のカリフォルニアサーフスタイルに心を奪われた男の独り言。

「随分とボードを持っていますね?」、「一体、何本持っているんですか?」と、会う人会う人に聞かれる事がある。

 
 
サーフィンを始めたのが今から32年前、途中のブランクも多大にあるがロングボードに至っては彼是20年になる。
しかしながら、その技量は未だに初級者レベル。
 
 
こんな俺が何故に沢山のサーフボードを入手する様になったのかは以前も綴った通りだが、最近、この手の質問に対しては「ピーク時に比べるとかなり減りました」と応答させてもらっている。
 
 
ロングに乗り始めてから好きなジャンルのボードを見付けるまでにはそれほどの時間は掛からなかった。
 
 
しかしながら、技量が無い事は己を見失ってしまうのか?サーフマガジンに書き記された事を頼りにボードをアレコレと吟味し始めたり、影響力を持つ方々のアドバイスを頼りにボードを吟味したりと・・・
遠回りを繰り返し今に至っている。
 
 
その結果、それらの過程で出会ったサーフボード達に別れを告げるべく、この2年でかなりのボードを手放した。
 
 
結局、俺が追い求めるサーフィンは20年前と全く変わってなく、ベルジー&ジェイコブスが考案したPIGが好きで、ランス・カーソンの様なノーズライディングが出来るノーズライダーが好きなのだ。
 
 
そんな訳で、本日紹介するボードはランス・カーソンのノーズライダーである。
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俺が知る限り、ランス・カーソンがノーズライダーに乗っていたという事実は無いと思う。
稀に、誰かから借りたくらいの事はあっただろうが、「愛機」で無かった事は確かである。
 
 
世界有数のサーフポイントであるマリブには二人のキングが居たと云われている。
一人はビッグウェンズデーの主役のモデルとなったランス・カーソン。
そして、もう一人は、そのランスの上の世代であり、ランス同様にビッグウェンズデーのモデルとなったミッキー・ドラである。
 
 
世代が異なっていた事もあり、二人は互いに意識し合う様な事は無かったと云われている(むしろ、ランスがドラを尊敬していたと云われている)が、後世の者達はどうしても彼らを比較したがった様で、事、ノーズラインディング関しては「どちら巧かったか?」等と度々サーフマガジンのネタにされたらしい。
 
 
ミッキー・ドラはジェイコブスの下を去った後、自身の最高シグネチャーである名品ダ・キャットを求めてグレッグ・ノール下でノーズライドを磨いて行く一方で、ランスはジェイコブスに残り、シグネチャーにてマリブのキングとなって行く。
 
 
ノーズライダーに乗らなかったランスが手掛けるノーズライダー。
その存在を知ったのは、実はサーファーズの矢作さんから「ランスのノーズライダーがあるよ」と現地から引っ張ってもらったこのボードだった。
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ランスが知人の為に作ったそのボードは、聳え立つ大木の様に大きく、そして、重く、俺の様な初級者では扱える代物では無かった。
 
 
しかし、流石はノーズライドを極めた男が創り上げたノーズライダーである。
抜群の安定感だけではなく、加速とブレーキと云う、ノーズライダーにとって最も重要な要素をしっかりと汲み込んでいる最高の逸品であった。
 
 
そんな事から俺自身のスペックのノーズライダーが・・・
ランス・カーソンが俺の為に創ってくれるノーズライダーが欲しくて、このボードをオーダーしたした次第である。
 
 
フォームはランスの代名詞であるスリーストリンガー仕様となっているのだが、お馴染みのピッチのストリンガーでは無く、ご覧の様なバランス配分が成されたフォームとなっている。
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テールは波をガッチリとホールドするかの様なスクエアーテールとなっており、「ピンテールのランス」とは対照的な創り込みとなっている。
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フィンはピポッドフィンに若干のレイクを掛けてあるオリジナルフィンがグラスオンされており、先のノーズライダーに付属されていたBOXフィンとは異なる形状のフィンとなっている。
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コンケーブ至っては昨今のヌヒワモデルのコピーの様に大きくて深いコンケーブでは無く、薄っすらとした浅めのコンケーブが施されている。
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このコンケーブを見る限り、ランスが1960年代のノーズライダーを意識したと云うよりは、ドナルド・タカヤマの様な理に適った機能性に長けたボードを創り上げた事が伺える。
そして、イエローティントに映えるかの様なオリジナルディーケール・・・
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こうして、画像越しにランスのボードを見ていると、俺の中でのランスのボードのイメージカラーはどうやらイエローらしい。

 
 
過去に紹介した2つのボードもそうだった様に、これらは俺が所有するヴィンテージの視感が多分に影響しているのかも知れない。
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さてさて、どうしても、ランスのボードになると長文になってしまう傾向があるが、PIGの合間に・・・なんて、中途半端な事はせずに、いずれはしっかりとノーズライダーと向き合う時になった時には、改めてレビューを綴ってみたいと思います。
 
 
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