ワンドロップ「ラリー」(白ボディ) | ALTERNATIVE SPIN

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こんにちは、ワンドロップおじさんです。
onedropyoyos初のプラスティックヨーヨー「RALLY」!いよいよ手に入れました!



射出成形で作ったボディを旋盤で整え、かなり肉厚のインナーリムを載せたヨーヨーです。
人に借りて振ってるときはあまり気にしていなかったのですが実際買ってみるとものすごく肉厚のリムでした。
なんとなくバズオンを思い出すようなルックス。



ボディシェイプは基本的にはステップストレートですが、レスポンス回りにラウンドのバンプがあります。
こういうの割りと少数派なかんじ。



フェイスにはサイドエフェクト「っぽい」パーツがあります。
このパーツはベアリングロックと一体化しているため構造的にはまんまサイドエフェクトです。
でも交換には対応していません。なんだかちょっと歯がゆい。



軸周り。
エニシングヨーヨーキットのようなレスポンス一体型のパーツが埋め込まれています。
ヨーヨーの中心部を金属パーツで揃えることでプラながらも剛性は高めな印象。

使用感!これね、独特です。

初代の浅葱色、その次にでたクリアーも振ったことはあるし、良いヨーヨーだってことはわかっていたんですが…この白ボディ版は格別です。「同じポリカーボネートでも色によってフィーリングが変わる」という体験を久々に味わいました。

回転力は申し分なし。インナーリムの恩恵を余すことなく回転力に反映しています。
スリープの伸びしろはうちのYYF系(ヴィクタープロト、ジェンセンがいないノーススター)よりもあると思います。

肉厚なリムは厚いだけでなく幅も広く作られているため、ほどよく重心が寄せられていて動きの雰囲気はメタルに近いものとなっています。
ここは単一素材のプラではなかなか出しにくいフィ-リングだと思います。とてもコントロール性が高い。

そしてマウント時の感触。
マウントした時の感触って、ヨーヨーによってかなり差がでます。
「ガツンとくる」「ズシリっとくる」「ふんわりしている」…ほんとに色々。
「ガツン」「ズシリ」という「はっきりしてる系」の中でも細かく見ていくとさらに細分化されていている。
ブロガー泣かせ。筆舌しがたい部分。

ラリーのマウント時の感触は「跳ねるような」ものだと感じました。
タジマバウンドがやりやすいヨーヨーってあるじゃないですか。
軽ければやりやすいってわけじゃない。あれはマウント感に依存している部分だと思うんですが、ラリーはまさにタジマバウンドがやりやすいヨーヨー。「乗った感」を維持しつつ「跳ねる」糸を次々コンボが好きな人にはドンピシャ。

それに加え、中心に寄った重心と10ボールベアリングによるぬるぬる感。
レール系も気持ちいい。ブラックがやるようなコンボもぬるぬるっと決められます。
「重量の割には重いフィーリング」という評を耳にしたことがありますが僕はそうは思いませんでした。
よーく動いてくれるから重いって感じじゃなかった。




ラリーは「メタルに匹敵する」とか「プラヨーの粋を超えた」とかそういう言葉が似合わない魅力を持っています。
オンリーワンとはまさにこのこと。開発3年という数字は伊達じゃない。ワンドロップのこだわりは見事なヨーヨーとして形になっています。何者なんだワンドロップ。こんなもの作れるだなんて。

業界内でもかなり人気の機種ですし、僕もめちゃくちゃ褒めちぎりましたが、合わない人はいそう。
合わないっていうか、アンテナの方向が向いていない人には「こんなもんか」と思われる気がします。
僕は初期ロットのプロトスターがそうでした。そんなに褒めるほどか?って。
(数年後に買ったヴィクタープロトは良かった)
ここは好みの世界なのでなんとも言えませんが、ひっかからない人はひっかからない。
一部にだけ伝わる言い方をすると「特徴のQ値がキツい」ヨーヨーです。

とはいえ、オススメか?オススメじゃないか?と聞かれたら即答で「オススメ!」って答えると思います。
少なくとも一振の価値あり。僕は大好きです。

職人芸が産んだ名機ラリー!また良いヨーヨーと出会えました。