愛燦々 | 楽園のドア

楽園のドア

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今日は、コーラスを聴きにいきました。

私の80歳になる母が 

昔勤めていた商社のOBで作る

合唱団に所属していて、

今回は、他の企業のやはりOBの合唱団3団体で

交歓演奏会が開かれたのです。

 

母は、20代前半に商社のタイピストをしていて

(おかげでメールやラインもお手のもの)

会社の合唱団に所属していました。

寿退社をして、子育てが一段落した頃に

別の団体でコーラスを再開して、

コンクールに出たり、ヨーロッパに遠征したりと

充実した日々を送っていたようでしたが

ある時、なぜかやめてしまいました。

 

そして、3年前に父が急に亡くなった数ヶ月後、

私は、高校の同窓会で会った先輩が

母と同じ商社に勤めていて

退職した後、OBで作る合唱団に所属していたので

もと合唱団だった母を誘ってくれたのです。

 

さすがに父が亡くなった直後だったので

母もその気になれず、お断りしました。

 

週1回、夜に練習なので

大阪市内までタクシーと電車で行く負担は

一人暮らしの母には大きいなと

私も半ばあきらめていました。

 

けれど

もともと気丈な母は、一周忌を過ぎた頃、

私に電話をかけてきて

「私、やってみようかな。」

と言い出したので、びっくりしました。

「ホントにやるの?」と

思わず聞き返したくらいでした。

 

けれど、それから母は、熱心に通い始めて

家でも 暇さえあれば 声を出して練習を

していたようで、

今までの演奏会は歌詞をすべて覚えて出演していました。

今回もモーツァルトのレクイエムも暗譜。

 

母は、女性では最年長でしたが

一目おかれるようになりました。

 

指揮者やピアニストの方からの信頼も

厚かったようで、

今回、ソロで(部分的にですが)

歌わせてもらえたのです。

 

 

私は母の声は、聴き慣れているので

なんとも思わなかったのですけど

80歳とは思えない声だとか、

皆様からお褒めいただいて、

指揮者の先生からは、

「16歳の少女のような若々しい声」と

太鼓判を押されたと団員の方が話してくださいました。

 

私のまわりでは、今、親御さんの介護などで

大変な方もとても多いです。

そんな中、母がこうして、認知症にもならずに

元気で歌って、過ごしてくれることは

とても有り難いことだと感謝しています。

 

合唱団に所属することは、良いことずくめです。

 

声を出すために深く呼吸をして筋肉を使い、

姿勢も良くなります。

人と会って、会話をすることで、孤独にはなりません。

音や歌詞を覚えるため、脳の活性化には良く、

声を出せばストレス発散もできます。

 

ただ、夜の練習なので、帰りは9時過ぎになるので

大阪市内から地下鉄、阪急電車、タクシーを利用して

帰らないといけないので、

母の体力がいつまで続くのかなといった心配は

あります。

 

そのような心配を今からしても仕方がないので

(私は、とても楽天家です)

母には、今を楽しんでもらえればと思っています。

 

「人生って不思議なものですね。」

「人生って嬉しいものですね。」

この歌を聴いて今日は、涙ぐんでしまいました。

 

美空ひばりさんの名曲、「愛燦々」ですが

作詞・作曲した小椋佳さんは

雨潜々→風散散→愛燦々、

人は哀しい→人はかよわい→人はかわいい

「人生って嬉しいもの」で締めるこの流れ・・

素晴らしいです。

 

良い歌詞だなと以前から思っていましたが

涙ぐんでしまう年齢になったのでしょうね。

 

(最前列左から2人目が母です)