遡ること4年前…

早めに店を閉めて壱に
「呑みに行くか?」

「はい、今からやったら何処に行くんすか?」
言ってみたはいいものの何処に等考えて無かったのである

「うーん…京橋のビートルズしか芸の無いバーは、どうだ?」

失礼なモノの言い方である

「あぁ…タカっさんとこすか、行きましょうか?でもチャリの鍵無くしたんすよねぇ…」

下手打ちもいいとこである

「お前…ダルいなぁ…」

「サーセン!!!」
若干イラッとしたが機転が利くのが私の良いところなのです、お母さんも言ってた!

「よっしゃ!久々にルパンキー作るか!傘持って来い!!!」

「ルパンキーって…厨房じゃあるまいし…」

「はよせぇっ!!!」
はいはいってな感じで傘を持ってくるのである

「これをやなぁ…こないして…あないして…」
等とぶつぶつ言いながら作業していたら厨房の頃のように上手く行かず、指先をザクッと切ってしまったのである
酒も入っているのでドバドバと大量に血が出るのである

「ヤバイですって!マジで!!!」
壱が喚くのを制止して…

「もういいやチャリは諦めて歩いて行こう」
私の奇行には慣れているのか単純に呑みに行きたいのか、壱はあっさりと

「行きましょう!」
と、こうである血をボタボタ垂らしながら京橋へ

「こんだけ地面に血痕が付いてたら事件だと思われますよ」
それもそうだなと思いジーンズで血を拭いながらバーへ
到着する頃には血も止まり一件落着ってなもんです

「タカっさんテキーラ2つぅ!」
可愛いギャルピキニ等は皆無な店なので
(そもそも京橋にそんなものは望んでいない何故なら期待するだけ無駄なのである)
ハーモニカとか吹きながらテキトーに呑んで

「壱帰るぞー!タカっさんチェックー!」

帰り道で指先をどっかに引っかけたのか、また血が溢れてきた今回は漫画みたいにピューピュー噴き出すのである

「壱見てみろっ!!!桜小橋の噴水なみやで!!!泉の広場も真っ青やーっ!!!」

全くもって意味が分からないアルコールとは非常に恐ろしいものである

「ホンマっすねー!」
こいつも生粋のバカなのだ

よろよろと歩きながら店の近くまで来ると壱が青醒めた顔で

「ヤバイっすよ…流石に血が出過ぎですって…」
さっきまでゲラゲラ笑ってたのは何処のどいつやねん!するとベルトをシュッと抜き私の腕を縛り上げて

「腕を心臓の位置より高く上げて下さいっ!!!なんかテレビで偉い人が言ってましたっ!!!」

そうか…と呟き腕を上げると、あっという間に血が止まったので

「壱!店で呑み治すかぁー!?」

「はいっ!!!!!!」

馬鹿は死んでも治らないとは、この事である。

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