土曜日とあって、映画館はごった返すほどのお客さんがいた。
新しく始まった映画もあり、どれも観たくなるものばかり。
しかし、自分が観る映画はもちろん決まっています。
開演10分前に中に入ると、すでにたくさんの観客が座っていた。
周りを見渡すと、年配の方が多く見受けられる。
どうやら、中能登町のツアーの方々が大半を占めてるよう。
この作品は、石川県中能登町町制10周年記念事業の一環でもあります。
※ネタバレの部分もあるかと思いますので、これから観賞される方はご遠慮ください。
◯ あらすじ ◯
父と日本人の母、可愛い妹と共に、家族4人で暮らした懐かしい東京の家を取り壊すときに見つかった、赤い木箱。古い手紙と一緒に入っていたのは、20年前に亡くなった母の台湾料理のレシピ帳。一青妙(木南晴夏)の脳裏に、いつも料理をしていた母の姿が浮かぶ…。
どんなに辛いときでも、かづ枝(河合美智子)は日々料理をし、娘たちはその料理を愛した。かづ枝の料理は家族の絆を強め、そして周囲の人々をも幸せな気持ちにした。20年が過ぎたいま、姉妹は、一青家ゆかりの地、中能登町にあるかづ枝の墓前で母の小さな秘密を知る。妙は、ある思いに駆り立てられ、台湾へと向かう。果たして、母がレシピに込めた想いとは…
個々の役者の演技の素晴らしさ、中能登町ののどかだけど映し出された画の美しさ、後はやはり数々の美味しそうな台湾料理のオンパレード。
どれをとっても素晴らしいと感じた。
出演者の中では、一青かづ枝役の河合美智子さんがまるで、娘たちの実の母親なんじゃないかと錯覚するくらい、素晴らしい演技を見せてくれた。
感動未だ、冷めやらず的な感じがまだまだ続いていますが、この映画で感じた事を一つずつ紐解いていきます。
主人公の一青妙が、以前家族が住んでた東京の実家を取り壊す際、押入れから赤い木箱を見つけたところから物語が始まります。
中には、古い手紙の束と、20年前に亡くなった母の台湾料理のレシピ帳があった。
妙が昔の母の姿を思い出し、舞台は台湾に移り、若かりし時の一青かづ枝と幼い妙が手を繋いで歩いていた。
そこからは、一青家の歴史が綴られていきます。
ある程の事は、前作の一青妙の著書を読んでいたので知っていたが、フィクションながらもこの映画で、一青家についていろいろ知る事が出来た。
かづ枝と台湾人の夫が、台湾の地で知り合い、結婚をして2人の子供を授かった。
2人の子供の為に、日本に移住したが、若くして夫を亡くした。
2人の子供の為に、母かづ枝はどんな辛い時でも笑顔を絶えさず美味しい料理を作り、2人の娘はその料理を愛した。
出てくる台湾料理は、どれも美味しそうで、お腹の音が何回鳴ったか…(笑)
どんな事が起きても、母の料理で家族の絆を強くし、周りにも幸せを与えた。
この映画は、一青妙が主人公だが、自分は母かづ枝の歴史を辿った物語だと感じた。
かづ枝が作った料理は、まさに人と人を強く結びつけ、幸せを与えてきたんだなと思う。
それは、慣れない台湾に住んでいた時の苦労が、今ここで花開いたのではなかろうか?
この映画を観て、母の偉大さを痛いほど感じた。
もし母がいなかったら、今の一青妙、一青窈がいなかったかもしれない。
そんな幸せが長続きすることもなく、母かづ枝が病に倒れ、亡くなってしまう。
この時妹の窈は、病気の事をずっと知らされないまま亡くなったので母の死が信じられず、彼女が号泣するシーンは、涙なしでは見ていられなかった。
とめどなく涙が溢れ、自分の顔がくしゃくしゃになっているのがはっきり分かった(笑)
20年過ぎた現在、姉妹は一青家ゆかりの地、中能登町を訪れた。
墓碑に手を合わせ、そこで母の小さな秘密を知ることになります。
その後、妙はある思いに駆り立てられ、台湾に訪れる…
台湾の地で、母の想いを知ることになりますが、それはみなさんで観て感じて欲しい。
この映画を観て、心がポッと温かくなり、人の優しさ・母の偉大さを改めて感じる事ができた。
町民の方々にとって、馴染みの風景が映し出されていた。
自分は、金沢にあるこの円光寺商店街が出た時はちょっと感動した。
仕事で、この辺りをよく通っているので感慨深い。
監督がラジオで言っていたが、昔ながらのこういう商店街が、どこ探してもなかなか見つからなかったとか。
馴染み深いと言えば、金沢駅のシーンもいくつかありました。
ちょっと余談だけど、中能登町で墓参りの際に訪れたファンに、一青窈がサインを書く場面や、彼女がレコーディングで先に帰ってしまうシーンなどはちょっとリアルに感じてしまった(笑)
上映終了後、未だ興奮冷めやらぬ時に、出演者たちの舞台挨拶が始まった。
木南晴夏(長女:一青妙)、藤本泉(妹:一青窈)、河合美智子(母:一青かづ枝)、監督:白羽野弥仁、一青妙、一青窈
台湾でのロケは、いつもは暑いところなのに、この年に限って50年に1番の大寒波に見舞われ普段、家に暖房器具がない為とてつもない寒さの中での撮影が大変だったらしい。
一青妙が着ていたチャイナドレスは、以前母が着ていたものでトークで、『ルーツのある中能登町での撮影を母も喜んでいると思う。食事や家族の大切さを考えてほしい』と話していました。
一青窈は、映画の主題歌の「空音」に関して、『この曲が新緑を吹き抜ける初夏の風のようにたくさんの人の頭をなでてあげられたらいいなあと思います』と語ってました。
彼女に関して、いろいろ話したいが別の機会にします。
主題歌でもある『空音』が、一青窈の15周年記念の第一弾として、昨日ようやく配信リリースされました。
それに合わせ、YouTubeでもこの曲がアップされ、映画の劇中シーンと共に楽曲の歌詞が映し出されています。
何回聴いてもいい曲だし、ちょっと泣きそうになる。
河合美智子さんも、舞台挨拶前に映画のエンドロールが流れている際、思い出して泣きそうになったと話していました。
☆映画関連書籍紹介☆
これを読むと、映画の世界をより深く味わうことが出来ますよ(=´∀`)
当時、これを読んで一青家の事をいろいろ知る事が出来ました。
とんぼの本 新潮社 定価:本体 1600円(税別)
一青妙の、台湾に関しての著書がいくつも出ていますが、この本が1番読みやすいので購入しました。
写真が多く掲載されており、台湾の隅々まで紹介してあります。
これ一冊で、台湾についていろいろ知る事が出来ますよ。
☆ママ、ごはんまだ?関連動画☆
ブログを読んで、この映画に少しでも興味を持ってくれたら幸いです。