フットサルの歴史 その3
Jリーグとフットサル
底辺からトップまでがつながっている仕組みを構築することは、Jリーグがめざす地元と密着したクラブ組織づくりにも密接に繋がっています。Jリーグでも、その百年構想の活動方針の3本柱の1つに「フットサルを広め、家族や仲間が集まれる機会を増やします」を挙げています。すでに鹿島アントラーズではこの動きを先取りし、多種多様なフットサル大会を、年間を通じて主催しています。
プレーヤーにおいてもさまざまな可能性が考えられます。例えばフットサルで磨いた技術とセンスを持った少年がJリーグ入りすること。また逆にJリーグを引退した選手がフットサルを本格的にプレーする場合も出てくるでしょう。Jリーガーの中でもアウトドア(11人制)に向いている選手、インドア(フットサル)に向いている選手、という振り分けが行われるとともに、どちらをプレーしていても適性に合ったサッカーを選べるといった、双方の歩み寄りも可能になってくるでしょう。各種大会を通じてアウトドア、インドアを問わず未知の人材の発掘と育成、強化を図ることもできるようになっていくことが考えられます。
鹿島アントラーズの試み
鹿島アントラーズのフットサル活動は完全な地元密着&日常型で行われています。「鹿島アントラーズフットサルクラブ」へ年会費(1万円)を払って登録すると('98年4月現在約90チーム)、いろいろな大会や練習に参加できます。1~3月には「クラブカップ」、「HIGHリーグ」(30歳以上の大会)、4~6月と8~11月に2回の「クラブリーグ」、9~10月が「アントラーズ杯」(会員外の一般も参加可)、そして1~12月まで年間を通じての「ミニオープン」(一般参加可)など、クラブハウスに隣接した人工芝のフットサルピッチ2面は毎夜10時まで利用者が訪れます。アントラーズにとっての“年中行事”フットサルを運営しているフットサル事務局の廣田智氏に訊きました。
「クラブリーグ戦には夜8時を目指して希望チームが集まってきますし、土・日には東京や横浜からもやってきます。 参加者は25~30歳が中心で、いろいろ試してみましたが、7分ハーフが体力的にも良いみたいです。サッカー経験者は半分いくかどうかといったところ。最年長者は元アントラーズ監督の宮本征勝さん。私がレフェリーをして最初にイエローカードを出したプレーが宮本さんのバックチャージでしたが(笑)、いつも楽しそうにプレーしてます。試合ではレフェリングは大変ですが、必ず事務局スタッフで行い、みんなが安心してフットサルを楽しめるように心掛けてます。私は卓球出身なんですが、初めてフットサルの試合に出してもらって、まぐれでゴールが決まって、初心者でも得点できるフットサルって楽しいなあって思いました。それからこの仕事も病みつきになったんです」
フットサルという文化
このようにフットサルは頂点と底辺が競技として同質のものであって、しかもトップのレベルが高くて裾野も広い、という文化としての形を整えつつあります。フットサルが増々ポピュラーになって「いつでも、どこでも、だれでも」参加できる環境ができたとき、日本でもサッカーが真に文化と呼べる日がやってくることでしょう。
参考:Futsal Japan
(KING)