$答え無き 問い ( 庶民的考察 )-呉、木谷


とある名局。

故・木谷棋士の白番。
黒は、呉 清源氏


碁を少しでも知る人は、これが異様な滑り出しだと気付かれるだろう。







碁の理屈としては、
辺に近い側は、
結局は、内ダメを詰める事になり、
中空の、外側の側は、
その石を追い詰める側に回る・・



理屈は分かっているのだが、
背中を厚くした場合、
相手に、下に潜り込まれたり、エグられたりと、
なかなか思うようにはいかない。


よって、このような五、六線から展開していく碁は、
私には、非常に勉強になったりする。
( そしてゴリゴリの、チカラ碁の棋風になったりする。 )

ちなみに、宇宙流の竹宮九段は、上からキカせつつ、
辺に向かって、割いていき、
相手に内ダメを打たせて、
得をするような策は、あまり取らない。
(それは、優先順位としては、低いと見ている節が有る。)







詰碁にしろ、《 手どころ 》と言われる、筋の部分にしろ、
棋譜並べにしろ、
思わず唸らせる様な、手がしびれてくる様な、
次元の違いを感じさせる問題が存在する。


私の場合は、棋士の名前別に、ファイルを作り、
その中に、《 名品、A 》《 名品、B 》などと、
別にファイルを作って、隔離している。

それは、何度でも並べたくなる魅力が有り、
何度も研究する内に、
緻密で精巧な、思考の構築につながっていく。





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