寂しいと呼吸するように蒐集する。初めは小石を。恋しいと拍動するように採集する。初めは四葉を。埋められない穴を弄っては悪戯に広げる。静寂に落下傘。模様は白紙。打ち鳴らされたタンバリンに微笑みを。綿毛を吹いて風。片手で握り潰した論理的帰結。貴方の眼球は何時になっても手に入らないのに。



手放せないヘッドホン。空想癖が治らないのは、外側に跳ねた毛先のせい。視線は合わせずに音を重ねていく。気持ちいい所に合わせて、永遠とか終焉とか願ったり叶ったりトまったり。可愛いあの子のように、今は一秒でも長く眠っていたい。指先から腐乱しているのも気付かずに。ねえ、甘い匂いがするよ。



冷たいままの墓石に太陽の欠片が落ちている。暗闇に重さはあるか?焼け野原からアスファルトへ。無くしてしまったはずの朝顔の花が開いて、懐かしい匂いがした。空蝉。足跡。麦わら帽子。蛇口から溢れ出す水は奇跡みたいな透明だった。もう似合わない黄色いスカートが眩しかった夏。私が少女だった頃。