玉ねぎが腐る家庭菜園 | 化学肥料と農薬に頼らず自然でやさしい美味しさに育つ『炭素循環農法』で野菜を栽培している農家のブログ

化学肥料と農薬に頼らず自然でやさしい美味しさに育つ『炭素循環農法』で野菜を栽培している農家のブログ

2013年7月から近所の耕作放棄地を再生して、農薬や化学肥料は使わない『炭素循環農法』で野菜をつくりはじめました。畑の様子や、無人販売の様子、野菜の作り方などを情報発信して行きます。

中村です、




今日は『発酵』についてお話します。




家庭菜園で失敗する原因の多くは発酵が関係して


いるようです。




1年前から家庭菜園の教室をしているのですが


300人以上の受講者の悩みを聞いていると殆どが


土つくりの段階で発酵する要素のあるものを土に


入れていることが原因のようです。




これは実際にあった話で教室では何度も出る話


なのですが、




1年半前に私が園芸店は始めたばかりの時に


ある近所の人が相談に見えました。




この人のことをAさんと呼ぶことにします。




Aさんは6年前に定年退職をして家の隣の畑で


家庭菜園を始めました。




もともとが田んぼ土の畑なので土が固く一生懸命


牛糞堆肥を土の中に混ぜていました。




本やテレビでは完熟堆肥を混ぜてから野菜を植え


ると言っているのでその通りに一生懸命土を作って


いました。




堆肥をたくさん混ぜたので当然良い土になっている


はずだろうと思って玉ねぎを11月に植えました。




その結果はというと、




収穫までに大半が溶けてなくなったり元気がなかっ


たりして、育ってもろくな玉ねぎができませんでした。




理由は2つありました・・・




1つ目は今日のテーマの




『発酵』




です。




牛糞堆肥はある牛舎から直接はこんでもらった


堆肥でまだ少し匂いがある状態、おがくずもまだ


形がある状態でした。




完熟した堆肥は匂いません。




究極の完熟状態を『腐植』の状態といいます。




腐植の状態なら土に混ぜても問題なく、むしろ


土に混ぜることで土の浄化をしたり空気中の


窒素や水を呼び込む役割をします。




Aさんの畑の場合は堆肥が未熟だったので


土の微生物により分解が始まり、結果として


土の中で発酵が起こります。




土の中が堆肥製造施設のような状態になって


しまったのです。




本来土に入る前に行ってほしいことが土の中で


起きてしまったので結果として玉ねぎが耐えられ


なくなってしまい腐りました。




根もの野菜は土に触れあう期間が長いので


どうしても発酵に弱いです。




気をつけましょう。






次回はAさんの玉ねぎが育たなかった原因の


もう一つを解説していきます。






べじまにあ


中村真也