SEEDAさんのアルバム『花と雨』(2006年)をテーマにしたこちらを観てきました。


Image via 映画「花と雨」オフィシャルサイト


全編を通じて良い意味でぶっきらぼうな描写がよかったです。その映画の描写と同じくらいぶっきらぼうながら、情熱を注いでいるもののことになると急に饒舌になる青年=吉田を演じる、笠松将さんの演技が素晴らしすぎました。自然に振る舞えない不器用さから、スクリーンで彼を観ていると何とも言えない居心地の悪さを感じるのですが、それがまたいいんです。

「長くつぼんだ彼岸花が咲き/空が代わりに涙流した日」という、あのあまりにも美しい詞が生まれた背景には、こんなことがあったんだなと、興味深く観れました。月並みな言い方かもしれませんが、美しいアートは時として最も暗い場所から生まれるものなのだなと再認識させられました。

1つだけ心残りなことがあります。吉田がとある紙に文字を書くシーンがあるのですが、視力が0.2ずつくらいのくせに裸眼で生活している自分は、その文字をまともに読むことができませんでした。そのシーンで周囲からはすすり泣く声が聞こえたので、めっちゃ重要なシーンだったんだと思います。視力の悪い方は眼鏡やコンタクトを忘れないようにしてください。