2Pacのレコーディング中のスタジオには、常に酒とマリファナがあったそうです。僕はハッパは吸ったことないのですが、2Pacを見習ってビール飲みながらこの記事を書いてます 笑





さて、僕が塾講のバイトを始めてから約2年9ヶ月が経ちました。その間に色んな生徒と親御さんを見てきました。

親御さんの思いとして共通するのは、「うちの子の成績を上げてほしい」ということ。それは当然。子供の成績なんてどうでもいいから塾に通わせたいなんて親はいません。

そして、その成績を上げるというのが、具体例に挙げると様々で、学校の授業についていけるようにしてほしいという方から学校のテストで点が点が取れるようにしてほしいという方、そして勿論、受験に受かるようにしてほしいという方がいらっしゃいます。が、皆さん最終的に意識していらっしゃるのは、3つ目の受験なのではないかというのが自分の感覚です。「うちの子は大学進学しないけど高校の勉強をちゃんと教えてほしい」という思いでお子さんを通わせる親御さんは見たことないですからね。


塾講を始めて2年9ヶ月と書きましたが、自分は小3~浪人まで何らかの形で塾や予備校には常に通ってたので、そういう意味ではこの世界を見てる期間は長いですね。

そしてそんな中で、お子さんにこんなことを言う親御さんがよくいらっしゃいます。


「次のテストで○番以下だったら、部活辞めなさい」


これ、どうなんでしょう。



よく、「勉強なんかより大事なことがある」なんて言葉を聞きますが、これは半分は綺麗事で半分は綺麗事じゃないと、僕は思ってます。

どういう意味で綺麗事かというと、これは勿論、学力を軽視している点です(話を解りやすくするため、ここでの「学力」は「受験に合格する力」「偏差値」と仮定しましょう)。確かに学力よりも大切なものは沢山あるように感じますが、だからといってこれを軽視していいわけではない。無いよりは有った方がいい。その方が、大学に進学するにせよしないにせよ、選択の幅が広がりますから。

逆にどういう意味で綺麗事じゃないかというと、こういうことです。中学生や高校生は、他に色々な経験をでき得る時間を使って塾に通うわけです。塾に行かなければ部活がまともにできるかもしれないし、部活が休みの曜日に塾に通う子も、友達と遊ぶ時間を犠牲にして塾に来てます。部活や遊びだって、人格形成に関わるこの時期に、軽視していいわけではないですよね。


僕自身は、小6~高3まで週1で空手をやっていた以外は、中学では帰宅部(活動内容は週5で帰宅)、高校では筋トレ愛好会(一応週5だけどテキトー)でした。そんな僕が言うのも無責任ですが、受験に合格する力という意味での学力は、学校の授業についていけてるなら、あとは受験勉強の時期にさえ頑張ればどうにかなるんじゃないかと思います。勿論、英語や数学なんかは積み重ねが物を言う教科ですから、早くから取り組むに越したことはありません。でも、それ以外の科目を軽視するわけじゃないけど、正直定期テスト前にやったことなんてすぐ忘れて、結局受験前にやり直した気が…^^;

どうせそんなことになるなら、それ以外の時期を、それこそ「中学生・高校生のうちしかできないこと」に費やした方が生産的じゃないかなぁと思うのです。勿論、勉強している内容を受験のための知識にとどめず、深く追求したいというのも大いにありです。

なんか、受験のための勉強や塾通いのせいで「中学生・高校生のうちしかできないこと」ができないって、すごく勿体無いことだと思います。



ただ、これはサークル同期のあやや(男)から言われて、自分も全くその通りだと思ったのですが、「大事なことをできなかった」という“後悔”や“やり残した感”が、後々の原動力になるということも、大いに有り得ます。

これまた私事で恐縮ですが、僕がキックを始めたのもそんな理由からでした。大学に入学した19歳の頃まで、人並みかそれ以上に頑張ってきたことはそれなりにあったけど、受験勉強以外はどれも中途半端で、何かやり足りなかったんです。テレビで魔裟斗さんの活躍を見て憧れて、というのもありますが、自分なりに頑張ったといえるものが欲しい、自分に自信を持てる確固たる根拠が欲しいと思い、キックボクシングを始めました。


もし、中高と勉強に部活に恋愛に遊びに充実してた毎日を送ってたら、大学に入ってもキックなんかやらず飲みに明け暮れ、ジムのプロ選手とスパーをすることなんて無かったかもしれません。そして、そこに至る原動力となったのは、先に述べた“やり残した感”なんじゃないかと思います。そして、“やり残した”何かを埋めるために、大学時代ジムワークに日々励んできたことは、確実に自分の財産だと言えます。



2つの相反する主張を盛り込んだため、文章がまとまらなくなってしまいましたが、何れにせよ過ぎた時間は戻ってきません。

“やり残した”ことを埋めるために今からできることも沢山あるはずです。将来子供が生まれた時に、「受験」を理由に「中学生・高校生のうちしかできないこと」に励む機会を奪わないように配慮することも可能です。

自分なりに、死ぬまでに一つ一つやり残したことを削っていければと思います^^



2012年7月25日