動画編集ジプシー その2

動画編集ジプシー　その２

せっかく俺が撮影した、
最高傑作の映像に向かって、

「そんなの一日中映していないでよ！」
「このアニメを毎週見ているんだよ！」
「こんなブレたシーンを見ていると酔っちゃうわ！」

この言葉は。さすがにナイだろう。

家族の輪と暖かい団らん、
子供たちから尊敬される理想の父親像・おじいちゃん像
「あなたって、スゴイ、惚れ直しちゃった」

俺が期待した理想と言葉はそこに無く、
空虚な風が吹き荒れる。


俺の奮起した、
あの一日はどこに行ってしまったのか？

男の尊厳にかけて、
一発大逆転を狙うのだ・・・。

そうだ、編集をすればいいじゃ無いか！

「そんなの見ていると酔っちゃう」と言われるのならば、
その部分を無くせばいいんじゃないか、

「延々と続くダラダラしたところは、
ポイント部分だけに絞ればいいんだ」

場面を説明する文字も入れよう。


シーンの順番を入れ替えれば、
なんか、TVドラマのようになってくるじゃないか！


俺って、もしかしたら天才？

動画編集ジプシー その１

SONYのハンディカム、CANONのiVISなどのムービーカメラ、
SONYのα、CANONのEOS、NIKON等の動画撮影できる一眼カメラ、
ハイビジョン動画撮影できるデジカメ、


これらで撮影した動画を
あなたは上手く編集出来ているだろうか？

そもそも、どうして編集するのかと言ったら、
人様にお見せできない撮影部分を削除するためである。


動画編集は引き算の美学なのだ！


可愛い我が子の運動会、
眼の中に入れても痛くない孫の音楽会、
張り切って撮影したお父さん、おじいちゃんは、
総計５時間も撮影していた。

良い撮影場所を確保するため、
早朝から出掛け、

ここ一番のシーンを撮るために、
息を切らして会場内を駆け回り、

バッテリー切れを起こさないか、
残りの録画可能時間は大丈夫か、

自分の撮影が、
人様の迷惑になっていないか、

他人の子供や先生方も一緒に撮影しておいて、
傑作作品をプレゼントしたら、
少しは俺のメンツも上がるかも？


諸々の事情を思い巡らしながら、
撮影以外のことにも気を遣って手に入れた、
我が人生最高傑作だと、
心に中で密かにほくそ笑んだこの貴重な映像。

この自画自賛の傑作映像５時間を、
家族の喜ぶ顔が見たいとおもう一心で、
地デジ用に買い換えた大画面ハイビジョンTVで
一日中映していたら・・・。

家族中から賞賛の拍手喝采がわき起こるのでは無く、
包丁が飛んできました（爆）