肉に含まれるヘム鉄は2型糖尿病のリスクを大幅に高める
ヴィーガン食に対する批判の1つが、鉄分が不足するから肉を食べて「ヘム鉄」を摂取しなければならないという主張です。
ヘム鉄は体内で最も吸収しやすいタイプの鉄で、動物性食品にのみ含まれています。
新しい研究により、ヘム鉄の摂取量が多いと2型糖尿病の発症リスクとの間に「有意な」関連性が判明しました。
肉に含まれるヘム鉄は2型糖尿病のリスクを大幅に高める
Nature Metabolismから引用。
最長36年間にわたる米国の3つの大規模コホートにおける204,615人の参加者(79%が女性)のデータを分析し、鉄摂取とT2Dリスク(2型糖尿病)の関連を調べた。
ヘム鉄の摂取はT2Dリスクの上昇と関連しているが、非ヘム鉄の摂取は関連していないことを示しております。
ヘム鉄は、未加工の赤身肉や特定の食生活パターンに関連する T2D リスクのかなりの部分を占めています。ヘム鉄摂取量の増加は、インスリン血症、脂質、炎症、T2D 関連代謝物の好ましくない血漿プロファイルと相関しています。
ヘム鉄を最も多く摂取した参加者は、最も少なく摂取した参加者よりも糖尿病を発症するリスクが26%高く、ヘム鉄の摂取量が多いことは、未加工の赤身肉の摂取量が多いことと関連しています。
この研究では、未加工の赤身肉を食べることによる糖尿病リスクの65%はヘム鉄によるものであることが判明。
食品やサプリメントからの非ヘム鉄の摂取と糖尿病リスクの間には、有意な関連はなし。
ヘム鉄が糖尿病リスクを高める理由
ヘム鉄はインスリン抵抗性、炎症、いくつかの代謝物(代謝中に生成されるアミノ酸などの物質)の代謝に関連していることが分かっています。ヘム鉄のレベルが高いと、インスリン抵抗性によってグルコースの代謝が妨げられる可能性があり、体が血液からグルコースを適切に吸収したり、エネルギーとして蓄えたりできない状態であり、2型糖尿病につながる可能性があります。
鉄分は「非ヘム鉄」で摂取する
一日に必要な鉄分は、男性7.5mg、女性(月経なし:6.5mg、月経あり:11mg)です。
この栄養素(鉄分)の過剰は欠乏と同じくらい有害であるため、吸収の良い「ヘム鉄」ではなく、植物に含まれている「非ヘム鉄」で摂取するのがベストでしょう。
鉄分を多く含む食品と「ビタミンC」を多く含む食材を組み合わせると、体の鉄分吸収力が高まります。逆にコーヒー、紅茶、ソーダ、カルシウムサプリメント、食物繊維を多く含む食品、ワインとビールは吸収を妨げることがあります。
鉄分を多く含む植物性の食材は色々ありますが、
例えば「木綿豆腐100g、納豆50g、高野豆腐100g」を食べるだけで、1日4.9mgの鉄分を摂取することが可能です。
赤こんにゃくは、10gで7.8mgも摂取できます。
ひじきも鉄分が多く含まれていますが、調理方法によって鉄分の含有量が約9倍変わるので注意(鉄釜で2.7mg、ステンレス釜で0.3mg)
他は、キヌア、オートミール、レンズ豆等も豊富です。
もう少し鉄分が必要な場合は、非ヘム鉄サプリメントや、
加熱中に食品に鉄分を伝達する鋳鉄製の調理器具を試すこともできます。
まとめ
ビタミンB12と同様に、肉を食べなければ「鉄分」が不足するという主張は誤りです。
肉を食べなければ「鉄分が不足する」と周りから押し付けられて、洗脳されないよう気を付けましょう。
ただし、植物から摂取するには、濃い緑の葉や豆類など、鉄分を豊富に含むさまざまな植物性食品を摂取することを意識する必要があります。
不健康なヴィーガン食(精製穀物を食べたり、野菜・果物をほとんど取らない)は体に悪いです。
お忙しい中、最後までお読み頂きありがとうございました。
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