読風呂

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読書日記。思い出せる限り更新していきます

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龍神の雨/道尾 秀介



これまでの作品に比べてかなり丁寧に伏線を回収できていると思う。
辰也の、思春期真っ只中な中学生男子っぷりが良い。継母の作ってくれた朝食を美味しいと評価している所で少し泣けた。
「想像は人を喰らう」の一文が印象的。道尾さんがえがく兄弟愛は美し過ぎない程度に純粋だから感情移入しやすい。


乱反射/貫井 徳郎



「殺したいから殺した」だけが殺人ではない。
責任逃れを口にした時点ですでに相手の心を殺している。私は誰も殺していないと言える人間は一人として存在しない。死んだ子供には直接的も間接的も関係ない。
「慟哭」のような衝撃はないが万人に当て嵌まるという意味ではこちらの方が残酷かも。
一番反省すべきは克子の父か。

毎度思うが貫井さんはタイトルのつけかたが上手い。

コミック怪 Vol.07 2009年 夏号/志水 アキ


魍魎の匣 (3) (怪COMIC)/画:志水 アキ



※以下本誌のみの感想です。ネタバレNGの方はご注意下さい。

川新が予想以上に川新でした!いやまさかカラーまで飾るとは思いませんでしたが。
これは間違いなく川新です。

拝み屋登場。羽織りの翻し具合はかっこいい。
榎さんの「こんにちは弟子です」が飛ばされなくて良かった。
そして中禅寺のマジカルステップ……!!!
かなり良いです。これで背景に花吹雪なんぞ散らせたらぴったりです。

青木が久保宅へ。
青木が来た時のドアから覗いた久保の顔が怖すぎる。夢に出そう。
昔小樽にあんな仮面あったな…。


そして
次号から百器徒然袋が新連載ということで…!!!
えええあああううう嬉しい…涙出そうです。
予告ページの右上のコマにいるのは益田でしょうか?左上が本島くんならこれはかなりイメージ通りです!
でも(鳴釜の)塗仏が絡んでる部分などはどうするのでしょうか。まぁこれ読んでるのは原作ファンばかりだろうから問題は無いのでしょうが。
取り敢えずめちゃくちゃ楽しみです。







鬼の跫音/道尾 秀介



5ヶ月積ん読でしたがやっと読みました。できれば道尾さんの作品は間を置いて読みたい。

長編の時のような回りくどさや度重なるどんでん返しが無い分、面白い要点だけをえぐり出して練り込んでいるので読みやすかった。

でもやっぱりこれで直木賞は無いなというか勿体ない。でもいつか取れると思う。取って欲しい。

道尾さんの作品には煮えたぎるような内面の憎悪を鳥や虫に置き換えて表現しているから変に怖い。
とにかく彼に虫を書かせると最恐。子供も絡むとなお怖い。



造花の蜜/連城 三紀彦



積ん読から半年!やっと読みました。
放置していたわりに一日でさくっと読めました。
…ちなみにジャケ買いです。紙が良い。

内容は凝っているが文章が着飾り過ぎていて劇中作を読んでいるような気分。
この本自体が造り物な気がしてならない。事件の構想が面白い分すこし勿体ない。
「……」じゃなくて「——」の方が読みやすくて好きだな。






2009年 上半期読書まとめ
1~3月は引っ越しがあったのであまり数は読めませんでしたがざっとまとめておきまっす。再読含みます。


『火天の城』 山本 兼一
安土城築城の話。信長がものすごく自分の信長像に近くて読みやすかった。

『厭な小説』 京極 夏彦
まず一見重量感がありそうな装幀なのに持ってみると意外と軽いというこの違和感が厭だ。
たまに挟まってる蚊も厭だ。そして本棚に並べるのが厭だ。
『幽談』より陰湿で不快感は多いが「厭」なことの正体が示されているので幽談の時のような「一生もやもやが取れない」感はない。
個人的に扉が一番好き。
ちなみにこれを読んだ次の日に蚊に刺された。おのれなっちゃんめ!

『柴田勝家―ひたむきに戦国乱世を駈け抜けた男』 安西 篤子
織田軍・柴田勝家が主人公の話。

『桶狭間の勇士』 中村 彰彦
織田軍・毛利新介と服部小平太が主人公の話。貴重。

『地下室の手記』 ドストエフスキー
再読。もうこれ大好き。もうなんなのあんたは私か?過去の私か?それとも未来の私か?
確実に誰もがどこかで概知感覚に襲われる一冊。この憎々しさがたまらん。

『ラットマン』 道尾 秀介
エレベーター部分の視覚トリックのような手法は面白かったんだけどなんだろうこのすっきりしない感じ。
私はホラーな道尾さんの方が好きかも。
いや、それ以前に青春物が苦手なのか?

『直江兼続 (学研M文庫)』 江宮 隆之
大河だけじゃ知識が乏過ぎるので読んでみた。読みやすかったです。表紙の兼続が格好良すぎる。

『ジェネラル・ルージュの凱旋』 海堂 尊
読みやすいがなんとなく軽い。
救急センターの苦しい実情という問題は重いのに、濃いキャラクター性に頼り過ぎてる気が。

『閉鎖病棟』 帚木 蓬生
ミステリや推理小説とはひと味違った個性派人情小説。登場人物が出張り過ぎてない所が良い。
思っていたより面白かったです。

『震度0』 横山 秀夫
横山さんにしてはいまいちだったかな…いやしかし大震災は怖かったです非常に。

『追憶のかけら』 貫井 徳郎
貫井さんの文章はまさしく真綿でじりじりと首を絞め上げられるような殺傷能力を持っている。
重すぎて拒絶されがちだが私はこれ か な り 好 き で す 。
久しぶりに小説で泣いた。

『ゴールデンスランバー』 伊坂 幸太郎
もう少しスッキリした結論が欲しかった。でもキャラクターの個性は最高。友達は大事にするべし。
映画も楽しみです!

『向日葵の咲かない夏』 道尾 秀介
結局本題はなんだったのか訳が分からなくなり事件とかもうどうでもよくなる読了感だがそれでもなにか納得してしまう話。これはもう作者の気合い勝ち。

『カラスの親指 by rule of CROW’s thumb』 道尾 秀介
世の中にはそんなに悪い人はいないんじゃないかと思えた。
爽快だがなんか物足りないなー。ちなみにこれ大半を電車の中で読んだんですが隣に座ったおじさんに凝視された…。絶対一緒に読んでた…。

『シャドウ』 道尾 秀介
最後の最後まで騙され倒されたのに、このスッキリした爽快感はなんなんだろう。不快感全く無し。
初道尾さんでしたがこれはかなり好きだ。いやうんこれはかんなり好きだ。

『覘き小平次』 京極 夏彦
再読。小平次がめちゃくちゃ好き。暗いのに決める所は決める。
京極さんの時代小説の中で一番読み返してるかもしれない。

『悼む人』 天童 荒太
『生と死』そして愛について書かれたにも拘わらずあまりにも多様・説明された所為か逆に軽さを感じる。
しかしそれらの事について自分なりに「考えさせられる」本ではある。
スピリチュアルな部分が多少気持ち悪いが「考える」という意味では一読の価値、刺激はあるように思う。
他の人の死を覚えて旅する<悼む人>という青年について書いた著者がいた、という事を「覚えて」おこうと思う。
(……以前のブログでこの本のレビューを5000文字近く書いていたのだが消えてしまった。ショック…)

『密謀』 藤沢 周平
藤沢さんの直江兼続小説。
面白かった!淡々とした文章だけど説得力がある。こっちが大河原作だったら良かったのだが…

『のぼうの城』 和田 竜
時代小説なのにSFを読んでる感じ。歴史物を敬遠してる人向きに書かれたというのも納得。
古臭さが無くて読みやすい分、なんだか内容が薄い気が。

『色の名前に心を読む 色名学入門』 近江 源太郎