という訳で久しぶりのパーツレビューになります。

 

前回の記事で書きましたように、ここ3年間はミシュランのパワー・コンペティションのクリンチャータイヤをずっと使っていまして、

 

 

これは重量がGP4000S II(当時は4000時代だった!)と同じほどで、非常に軽く、

転がり抵抗はGP4000に比べて1w以上低く、

さらには乗り味が柔らかい、非常に優れたオールラウンドタイヤだった訳ですが、

 

 

(ちなみにGP5000は4000時代よりも転がり抵抗を2w減らしてきた代わりに重量が実測で5g重くなっていました)

 

 

 

去年の新しいラインナップからミシュランはなぜかトップグレードの「コンペティション」からクリンチャーをなくしてしまい、

現在はすでにクリンチャーのパワーコンペティションはディスコン状態になってしまっているんですよね。

 

 

 

という訳で、今年の春に新しいタイヤをどうしたものかと迷った挙句、

結局は、以前フィクシーの手組みホイール用に買ってほぼ使わずにいた

飴色のサイドウォールのヴェロフレックスmasterを5月から使っているんです。

 

間に合わせというか、せっかくのかっこいいタイヤが

余ってしまっていた訳ですから、使わない手はありません。

 

 

image

 

 

このヴェロフレックス、知る人ぞ知るタイヤで、

ちょっと旧世代ですが、以前はプロの選手がスポンサー契約を無視して自費で使ったりしていたイタリアンハンドメイドタイヤです。

 

 

今回は最新の流行傾向であるハイエンドクリンチャー

ミシュラン、パワーコンペティションから、

 

旧世代の(まだタイヤが細かった時代の)人気タイヤに戻してみて感じたことを書いてみようと思います。

 

 

 

 

 

 

 

まず、最初にヴェロフレックスを使い始めた時に感じたことが、

「硬ぇー!」

 

でした。

 

 

ミシュラン、パワー・コンペティションは、

非常に安定性が高く、乗り心地も滑らかなのに対して、

 

空気圧を同じ6.6気圧で乗りますと、

 

ガチガチに硬い!

 

 

舗装道路の荒れた部分を通る時の下からの突き上げが酷くキツく感じるんです。

 

 

 

 

ミシュラン、パワー・コンディションの乗り心地に慣れていた自分にはあまりにきついので、

空気圧を少しずつ下げて試してみたのですが、

6.2気圧まで下げても突き上げのキツさが改善しないのです。

 

 

あー、やっぱり旧世代のタイヤは、最新の高性能クリンチャーに慣れてしまうとダメだなぁと思いました。

 

 

 

 

そこで乗り心地はもう諦めて、もっと空気圧を上げて乗ろうということにしました。

 

最終的に7気圧まで上げると、

これだ!と、ヴェロフレックス本来の、

鋭さ、スカッと回る気持ちよさが出てきた!

 

かと言って、それほど空気圧を上げても、

乗り心地がさらに硬くなるという感じでもないんですよね。

単に、スカッと回り易くなる、という感じなんです。

 

 

 

 

でも、よくよく考えてみると、

以前ヴェロフレックスを使っていた頃は

ほとんど8気圧近くまで硬くして乗っていたことを思い出したんですよね。

 

当時はまだロードバイクに乗ることが毎回挑戦だったこともあると思いますが、

いくら乗り心地が悪くても、とにかく0.1wでも転がり抵抗を低く、と思っていましたからね。

 

 

 

あー、これなんだと。

ほんの5、6年前なんて

ロードバイクっていうのは、乗り心地が悪いのは当たり前という時代だったんですよね。

 

それが、タイヤを25Cから、さらには28Cまで太くして当たり前になって後の新世代のタイヤというのは、

ある意味、軟弱といいますか、ソフトな乗り心地を求めるようになり、そのソフトさでグリップも高く、

それでも転がり抵抗は以前よりも低く抑える技術が確立していった。

 

 

しかしそれと同時に、ヴェロフレックスに代表される古い世代のタイヤのような、

多少硬かろうが、乗っていてビュンビュンと回る爽快感というのはなくなっていったんだなぁということに改めて気づいたんですよね。

 

 

 

これをどう捉えるか

は人それぞれですよね。

 

 

 

今となっては、自分にはやはり、非常に強い安定感があって、グリップも強く、乗り心地も柔らかく、しかも軽く回ってくれる新世代のタイヤが好きですが、

 

切り裂くような爽快感のある、

ある意味「走っている感じ」だけで言えば、速く感じる旧世代のタイヤにも別の魅力があるよなぁと思ったりするんですよね。

 

 

 

 

因みに、ヴェロフレックスの飴色サイドのマスターは

実は、サイドの黒いコルサと同じタイヤなのですが、

カタログには書いていないのに、

 

実測の重量は実は15gも重いのです。

(両方とも25Cです)

 

 

 

 

 

 

 

これに対して、実測で同じ太さ23C(実測で25mm)のミシュラン、パワー・コンペティションは、

 

 

 

25gも軽い!

飴サイドに比べたら35gの軽量化になります!

 

これで第三者機関による実験では、2.5wも転がり抵抗が低く、

乗り心地も最高に柔らかいのですから、最新技術のすごさを思い知らされますよね。

 

 

 

因みに、ミシュラン、パワー・コンペティションの25Cは、

実測で27mm(新品の状態でです!)、

 

重さは、

 

 

210gと、実測で25mmの25Cのヴェロフレックス、コルサと同じ重さになります。

 

 

ミシュランの25Cは重さでは23Cよりも25gも重いのに

後輪にだけ使っていた私の使い方では、その重さはほぼ全く感じず、

(おそらくは転がり抵抗が違うせいだと思われます)

 

コーナリング性能が圧倒的に向上して、

走り全体の滑らかさと安定感がさらに強く増すので、非常に気に入って使っていました。

 

 

 

 

 

 

 

ついでですので、

この飴サイドの罠についても書いておこうと思います。

 

 

最近「ネオ・クラシック」かなんか言って、

いろいろな会社が、飴サイドのタイヤを新たにリリースする傾向があるのですが、

 

 

 

実はここには注意が必要です。

 

 

 

先ほど書きましたように、ヴェロフレックスもそうなのですが、

カタログに出ている重さの表示は、黒いサイドウォールのものと、飴色のサイドウォールのものを別々に表示していないのですね。

そして、重さはもちろん、軽い方の重量が書いてあるのです。

 

ヴェロフレックスのように、サイドウォールの色の違いで、15gも重さが違ったら、

はっきり言って、同じメーカーのトップグレードと、セカンドグレードの違いぐらいの重さの違いがでてしまうじゃないですか!

 

 

 

ネオクラシック。

どうもそういう「新しい言葉」は全般的に嫌う傾向にある私ですが(おっさんの傾向ですね。笑)

 

確かに飴サイドのタイヤ、自分も大好きです。

はっきり言ってかっこいい。

だけど、そんなに重くなるんだったら書いておけよ!と言いたくなりますよね。

 

 

 

因みに、自分のミシュランの次に使いたいタイヤ、

ピレリのトップグレードPーZeroシリーズも、常に飴色タイヤ(むしろ茶色ですが)を出していますが、

これもカタログ値では黒と同じ重量になっているにも関わらず、

実測では、

黒が202g(このピレリ純正のゴムバンドが6gあるそうです)

に対して、

 

飴サイドは

 

画像からマイナス6gで217g!

 

 

なんと、色の違いで15g重いのです!

 

(たまたまヴェロフレックスの色違いと同じ重量差ですね)

 

 

 

 

いやー、ひどい罠ですよ、これ。

同じタイヤだと思ってたら、

ワングレード低いものを使わされるようなものじゃないですか!

 

 

実はコンチネンタルGP5000もブラウンウォールと限定品のベージュウォールが存在しますが、

ブラウンウォールの重量は見つけられませんでしたが、ベージュウォールがめちゃくちゃ重いのは有名なようです。

 

 

 

 

 

という訳で、

来年、本気タイヤにピレリのP-zero か、コンチネンタルGP5000を買うとしたら、

もう飴サイドはやめて、シックかつ、現代的に真っ黒でいくことにすると思います。

 

 

 

ミシュランからコンペティショングレードのクリンチャータイヤが出てくれるなら、それが一番なんですけどねぇ。