という訳で、昨日の記事の続きなのですが、

 

昨日紹介したイギリスのYoutubeチャンネル

Cycling Weekly から一つ、

 

すごく面白い動画があるので紹介しようと思います。

 

 

 

 

 

これは以前なんかの話で、このブログでも書こうと思っていたのが、

どうしても見つからなくて、諦めていたのですが、

昨日ふとした瞬間に、突然リンクが出てきたのです。

 

 

 

 

この動画はもう5年も前に上がった動画だったんですが、

私は当時フィクシーをやっていて、

丁度ロードバイクも欲しいよなぁと思い出した頃だったんです。

 

そしてあの時これを見て、

「よし、ロードを買おう!」と決意した動画だったのですね。

 

 

 

でも、振り返って考えてみると、

俺ってロードを始めてからは、まだ4年半しか経ってないんだなぁ

と、ふと思いました。

 

まあ、いいや。

 

 

 

 

 

 

動画の名前は、

How much speed can you buy?

 

直訳すれば、「どのぐらいのスピードを買えますか?」

 

 

 

 

「いくら出せば、速くなれる?」

 

といったところでしょうか。

 

 

(こちらです。)

 

 

 

どんな話かというと、

 

当時、イギリスで199ポンド(26000円)で買えたB´twinというメーカーのロードバイクと、

当時、タイムアタック用のバイクとして世界トップの選手が使っていたものと同じバイク

11000ポンド相当(150万円)で、

 

10マイル(16km)の距離を、平均300wのパワーを使って走り、

どちらが速いかを調べるという実験です。

 

 

 

 

どちらが速いかって、そりゃもちろんTTバイクが速いに決まってますが、

 

これがすごく興味深い結果なんですよ。

 

 

 

 

 

まずB´twinというメーカーですが、

これは、ヨーロッパでは、超有名。

イギリスのみならず、フランスでも

猫も杓子もこのB´twinの自転車に乗っているというぐらい、

誰でも知っているメーカーなのですが、

 

これはイギリスのDecathron(デカスロン)という

総合スポーツ用品店が、独自に出している自転車のレーベルの名前なんです。

 

なので、スポーツバイクも半分ぐらいはありますが、

子供用の自転車や、街乗りの自転車まで、

まずありとあらゆる自転車を出しているメーカーなのです。

 

 

そんなところの自転車がいい訳がない

 

 

と、スポーツバイクをやる人は普通思う訳ですが、

 

 

この動画のお兄ちゃん、オリバー君が言っているように、

実に、B´twinの自転車というのは、

非常に的を得た、いい自転車がたくさんあるのです。

 

 

 

これこそ、現、自転車王国イギリスの為せるワザだと思いますが、

 

非常に安い価格帯で、

その自転車の目的に合わせて、全く的を得たパーツをしっかり使っているので、

格好は良くないものの、

適当な自転車を買ってくるならば、

間違いなく、B´twinが一番いいだろうと、

私のようなスポーツ自転車をやる人間も思うぐらいのものなのです。

 

 

実際、自分の娘にもB´twinの自転車を買いましたが、

その辺で売っている子供用の自転車は、

本当に、子供をバカにしているのか?というぐらいにひどいものが多く、

ペダル(クランク)はグニャグニャ、

ハンドルは意味不明な方向に曲がっていたり、はまだいいとしても、

まともに止まるブレーキがついているものがほとんどないという世界の中、

 

 

B´twinの子供用自転車には、マウンテンバイク用のUブレーキが普通についてくるのです。

 

 

こりゃ効きすぎか?って思うぐらい、

ロードバイクのキャリパーより止まりますからね。笑

 

 

でも、子供にこそ、そういうものをつけるべきですよね。

 

 

更に、ギアは、どんな低いグレードでもきちんと調整がしやすい

シマノのものが選ばれています。

 

 

 

 

そういったことを、きちっとやってくるのが、

現自転車王国、イギリスの大手スポーツ量販店の自転車、

B´twinなんです。

 

 

 

 

 

 

ちょっとB´twinで引っ張りすぎましたが、

 

 

 

それに対して、この実験で使っているTTバイクは、

まさに、5年前当時の最強TTバイクです。

 

 

当時チームMovistar がタイムトライアルに使っていた

CANYONのTTバイクに、

 

前輪はアメリカのHead GT3

これは、当時のチームスカイ、ウィギンスも、クリス・フルームもTTで使っていたもの、

 

後輪がVision のMetron 。

ドイツ選手権、個人タイムトライヤルで常勝していた

トニー・マルティンが使っていたものと同じもの。

 

 

当時使われ始めた

セラミックベアリングのプーリーも付けて、

 

 

更には、エンドゥーラのカスタムスキンスーツ(もちろんオリバー君用)に

カスクのTT用エアロヘルメット

 

 

 

という装備です。

 

 

(こんだけのものを揃えられるだけで、このチャンネル凄いですよね)

 

 

 

 

 

さあ、結果ですが、

 

16kmの短めのタイムトライヤル、

パワーメーターを使って300ワットを出し続けて

 

B´twinが出したタイムが、

 

25分50秒

 

平均時速37kmに対して、

 

 

最強TTバイクでは、

 

22分11秒

 

平均時速43,5kmです!

 

 

 

 

 

 

 

いかがでしょう。

16km走って約3分弱の差が出ました。

 

 

3分弱?しか出ないの??

 

 

 

というのが、普通の人の感覚ではないでしょうか。

 

 

 

だって、2万6000円の自転車と、150万円の自転車ですよ!

 

 

(現在は、イギリス・ポンドのレートが低いのでこんな値段になっちゃいますが、

最高級のトリスポークにディスクホイールのTTバイクを今150万円じゃ買えないですよね。)

 

 

 

 

 

 

 

そう、しかしこれは、実は凄い差ではあります。

 

時速32kmを超えてから、時速を2kmを上げるのに、ものすごいパワーが必要なのは、

そのスピード域で巡行を試みたことがある人は誰でもが知っていることで、

ましてや35km以上の巡行となると、一気にクソ重くなるのです。

 

その中で、平均時速37kmから、平均時速43、5kmになるという。

自転車だけで平均時速が6km以上も上がるというのは、

まさに驚異的な数字なのです。

 

 

 

 

しかし、驚異的と言ってもこの程度なんですよね。

 

 

 

 

例えば、普通の趣味のライドで、

80kmなんかをゆったり走る世界では、

16kmごとに3分弱時間がかかったところで、

15分しか失わないのですから、

こんなのまさに誤差の範囲です。

 

ちょっと休憩で誰かと喋っただけで20分は失うものなのですから。

 

 

 

 

しかも、この時速の差は、

このオリバー君が、300wものパワーを使って20分以上も走っているから出ている差で、

普通の人が走る、時速30km程度までの速度で走ったら(120wぐらいですか)、

それこそ、ほとんど全くタイムは変わらないはずです。

 

なぜなら、空気抵抗に対抗しなくてはならないのは、

時速32kmを越えてからで、

それ以下の速度では、

コンポの違いで、ギアのフリクションの差は微かにあったとしても

エンジンの差、つまり脚の差以外何もないからなのです。

 

 

 

 

そう、つまり、この凄い差というのは、

300wで、20分以上走れるような脚を持った人になら出せる

「凄い差」でしかない訳です。

 

 

 

しかもその凄い差も、そのスピード域を知っている人にしかわからないような

「凄い差」なのです。

 

 

 

 

(そこから想像できることは、500wで巡行できるワールドツアー選手になると、自転車の空力の差で雲泥の差が出るのは当然だということです。)

 

 

 

 

 

そんな感じで、

私はこのビデオを見て、

なーんだ、結局安い自転車でもあんま変わんないなら、

やっぱりロードバイクを買って、スイスの山岳地域とか走りに行きたいよなぁ。

(フィクシーじゃ無理ですからね。登れたとしても、下りで死にます)

 

なんて思って

ロードバイクを物色していたのですが、

 

 

結局30万円はする、ビアンキのオルトレを買ってしまったという、

意味のわからないオチがついているんですけどね。笑

 

 

 

 

 

そう、そして結論としては

やはりそうなのです。

 

時速30km程度しか走れない(または走らない)

素人としては、

どの機材を使ったら速いか、と言ったら、

どれも一緒。

 

 

ってことで、

 

残りは、乗り心地と自分の好きな(形、色)の自転車ということになる訳で、

 

 

結局、自分が気持ちいいものが、自己最高。

 

 

 

というのが素人の基準、ということになるのではないでしょうか。