日本人材派遣協会より、2010年10月~12月の派遣実稼動数が発表されました。(対象:529事業所)
<要点>
[派遣スタッフ実稼働者数]
1.派遣スタッフ実稼働者総数は対前年同期の数に近づきつつある。
2008年10~12月以降、マイナスが続いているが、2009年10~12月の対前年同期比約25%減から、
今期は約5%減と減少幅が縮小してきている。
しかしながら、リーマンショック以前の2008年10~12月との比較では72%と大幅な低下となっている。
「北関東・甲信」「北陸」「四国」は対前年同期比が横ばいとなった。
「北海道」「東北」「南関東」「東海」「近畿」「中国」「九州」は引き続き、減少傾向にあるが、減少幅は縮小している。
2.業務別では、「機器操作関係(5号)」の実稼働者数減少が深刻である。
最大シェアの「機器操作関係(5号)」は73%で、対前年同期を大きく割っている。2008年同期と比べると約50%も減少している。
SE・プログラマー等の「情報処理システム開発関係(1号)」は92%である。
財務関係(10号)は4月に急増した後、横ばいで推移している。
貿易関係(11号)は7月に急減した後、横ばいで推移している。
一方、自由化業務の「一般事務」は絶対数としては全体に占めるウェイトは低いが、
第3四半期を更に上回る急増を見せている(対前年同期比359%)
自由化業務の「軽作業」は伸びが鈍化してきている(対前年同期比105%)
3.製造業務の実稼働者数は、対前年同期比106%
景気後退の影響をまともに受けていたが、実稼働者数は対前年同期数を越えた。
4.紹介予定派遣の実稼働者数は、対前年同期比135%
紹介予定派遣は、対前年同期比で増加が続いている。
日雇派遣は、2008年同期の水準にほぼ戻った。
→今回こそ前年比を上回ると予想しましたが、残念ながら前年比マイナスのトレンドに変わりはありませんでした。
大手を中心に底打ち感が見られるものの、リーマンショック前と比較すれば一目瞭然の3割ダウン。また、飛躍的に回復する兆しもなく、ジリジリとしたビジネス展開が続いています。
専門26業務の停滞に対して、自由化業務の急激な伸びが示すトレンドは、派遣ビジネスの先行きの怪しさそのものです。
徐々にではありますが、派遣会社も独自の関連する周辺サービスを展開したり、アウトソーサーとの協業など具体的なうごきが出てきました。