おもちゃ箱ひっくり返して

おもちゃ箱ひっくり返して

ミニマムな恋の物語(フィクション)集です。

言葉という積み木で
なにか楽しいものが
できあがるといいなぁ♪

** 不定期で 発信予定です。

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〜 Ⅲ 〜

ボクの町の夏祭りは そこそこ有名で、地元の人はもちろん 隣市隣県の人も出向いて 人で賑わう。
駅から真っ直ぐ延びる商店街の 端から端まで 屋台が並んで、いつもは閑散としている 商店街も 人が溢れてる。

なる と 駅で待ち合わせして お祭りの雰囲気を味わいながら 花火がよく見える 河原まで歩くことにした。
唐揚げ 肉串 たこ焼き 綿あめ 店の前を通る毎に 美味しそうな匂いが ボクらを誘った。
「はらへったぁ。なんか食べようよー」なる が言う
「うん。でも… 祭りの屋台って当たりハズレがあるからなぁ 当たりの店を見定めるのも大事なんだぜ」
「あのさぁ… 試食サイズを1コインで 売ってくれたら いいと思わない? 美味しかったら 普通サイズ買えば良いんだし。
 そうすれば いろんなもの食べれるし ボクたちの財布にも優しいし」
「すげー! なる 天才だなぁ」

他愛も無い話をして歩いたけれど… 内心 そわそわしてるのは 気づかれてないハズだ。


ママが ぎゅうぎゅうに 締めた帯は 着崩れ防止だけじゃなくわたしのダイエットにも役立ちそう。背筋を伸ばしていないと苦しくて、出かける前は楽しみだった 屋台の食べ物も食べる気にならなかった。
でも、お祭りの雰囲気が楽しくて 気を紛らわしてくれた。

「そろそろ 河原の方に行こうかぁ♪ 今から行けば 調度良いかも。それにしても… 今日の あかり かわいいね♡ よしよし♪」

きゃしーが なぜか満足気にうなずく。

いつもと同じだけどなぁ 少し照れて…
だけど、ママの浴衣のおかげだなぁ って 内心思った。

この ゆるい坂を登り切ったら 花火がよく見える 河原だなぁ


河原で 花火がよく見える場所を 探してた。そして キミのを探してた。
こんなに ひとがいるのに みつけられるわけないよなぁ
 どこかで思ったり だけど…
今日だったら 自然に 気負わずに言える気がした。
「一緒に花火見ようよ」って。

「なる どこがいいか…な……」
心臓が止まるかと思った。

キミがいた。
浴衣姿のキミ 
制服姿じゃない キミは いつもと少し 雰囲気が違ったけれど、紛れもなく キミで そこだけ光って 目が離せなかった。


「ここでいいんじゃないの?」
なるが 意味ありげな笑顔で答えた。

いやいやいや…… どうする?オレ …
気づかれる前に隠れようか いやな顔されちゃうんじゃないかなぁ… こんなことなら 学校でもっと優しくしておけばよかった。
戸惑っている ボクの肩を 微笑んだ なるが ぽんと叩いた。


ねぇ!

豪快な夜空に咲く花と同時に
キミに ボクの勇気を飛ばした。




                                                 おしまい。



夏休み * ナカノアツシ

良かったら 聴いてみてね。↓

https://youtu.be/J9WTf531qD0