気管に管を通していたのを抜いてふさいだ手術痕は結構目立つものだった。

無意識にいつもパジャマの襟をぎゅっと握りしめて傷あとを隠す癖がついていた。

ある日、リハビリの先生に「そうした方が話しやすいのか?」と聞かれて、初めて気づいた。

「傷あとが気になります」と答えた。

先生から「そうする事によって余計に人は気にするからやめなさい」と言われた。

涙が出た。止まらなくなってしまった。
まともに歩けなくっても、言葉が上手く話せなくなっても、一応女性として傷あとが気になってたんだよ。

部屋に来てくれた看護士さんにしばらく話を聞いてもらった。

主治医の先生も癖が気にはなっていたけど、そうする方が<食べ物が飲み込みやすいのか><話をしやすいのか>と思っていたって。

この後、傷痕をきれいにする為に再手術をする事が決まった。