【9月11日(月)】

やはり寝られなかった。

5:30、不思議なおばあさん、活動開始。

何かを猛烈に勢いよく混ぜる音。

何を混ぜてる?この時間に?


ちょっと、怖いかも…。


お手洗いに行く時にカーテン開いていてチラッとみえた。


あ、ヨーグルトですか!自家製かなにか?

なるほど…??


抗がん剤やってるからなのかな。

そういえば、つわりの時とか、すごい偏食で、でも酷いときは水しか飲めなかったなあとか思った。


というか、私、リンパ節取ったってことは、抗がん剤やるってことなのかな…、私もそのうち、入院してて、あの人おまじないとかしてるとか言われちゃうのかな?


うわ、ごめんなさい、とおばあさんに心の中で真剣に謝った。と同時に、抗がん剤って通院だと思ってたけど、入院で観察いる人もいるのかも、とか、取って放射線やってホルモン剤で終わりかなと、楽観的に捉えていた私が色々考えはじめたのがこの日だった。


ただ、実はほかにも不思議なことはしている人なのか、いつも優しい看護師さんの対応はおばあちゃんにだけ強気でいるのは、ちょっと笑えた。


今日から、看護実習生が来るらしい。

看護師さんが、私の対応をさせてもよいか、色々お話聞いたりとかしてよいですか?と聞いてきた。全然、いいですよ、私でよければ、と伝える。


実習生の子は、息子と同じ年だった。

びっくりするほど真面目、しっかりしてて、でも優しい。


私の血圧測定。ほかの人は腕だが、私は足。

実習生は機械式ではなく、手動でやるようで、足だと結構な数、シュコシュコしないといけない。

それでも頑張ってやっている。付き添いの看護師さんは、私の状態、彼女の行動、両方きちんとみてくれていた。それもすごい。


傷の状態観察したり、背中を拭いてくれたり。


その後は、色々話をした。私の家族のこととか、いま、不安なこととか。家族は、夫が家事ができる人だから入院してても心配ないけど、今後、仕事と治療をどう折り合いつけようかというのは不安かもしれない、という話をした。

子どもは、一番下の子で、あなたと同じ年で…、というか、あなたみたいにしっかりしてたら不安じゃないんだけど、彼が果たして大学を卒業できるのかどうか問題はなかなかな不安なのよ、と言ったら、笑ってくれた。


仕事で運転することがある、と言ったら、午後、リハビリの動きにハンドル回すのを足したらどうか、と提案してくれた。なるほどね。ホントに仕事に真摯に向き合おうとしている。まだまだ、看護師さんたちのように作業を手早くはできないけれど、いい看護師さんになりそうだな、と思った。


しかし、今日は暑い。

向かい側の人、元気になったみたいで、洗濯してくる!と言っていた。でも微妙だったみたい。乾燥機も使ったが、全然乾かなくって…400円もつかったのに!と言っていた。

暑いし、窓際置いといたら乾きそう、と言っていたらそうですね、と窓際へ。ホントにすぐ乾いて…そりゃこの部屋暑いわ、と二人で笑っていた。


お昼前、実習生ではなく、元々今日の担当してくれている看護師さんが、シャンプーします?と声をかけてくれた。たぶん、午後シャワー室取れそうなんで、と、取ってくれて、美容院のようにシャンプーしてくれた。

すごく気持ちいい!


起きてると腕の痺れが意外と感じないことに気づいた。仕事をするのにパソコン開いてみる。思わず熱中してやったら、月曜日休みの夫が来ることになっている夕方になっていた。

追加で、スプーンを持ってきてもらった。どう考えても箸では食べられないメニューがある。コンビニで買うこともないから、持ってきてと。あと、箸とか洗うのに洗剤とスポンジと。コチコチと音がならない置時計と。

長期間入院することを想定していなかったので、色々細々、持ってきてもらった。


部屋は暑かった。検温で、熱がちょっと高いですね…、しんどくないですか?と言われた。むしろ、仕事したら気がすごく紛れて、気分は良かった。


おばあさんは、この日が点滴だった。看護師さんが、今日で最後ですね、頑張りましょう!と言っていた。


時間は数時間もかからず、案外短い時間だった。

終了後、立ち上がるときにふらふらしたみたいで、無理しないで!と言われていた。でも、看護師さんが、前よりはずっと大丈夫そう、と話していて、おばあさんも、そう、今回は一番大丈夫、と言っていた。

そんなにふらふらになるんだ。うーん、怖いかも。おばあさんだけかもだけど。


夜。仕事を始めたら楽しくなってしまって、ついついやりこんだ。まてまて、これは本当は退院したあと在宅勤務する予定だった分だよ。給料出ないじゃん。でも、まあいいか。リハビリ、精神安定剤にはなってるから。


寝られないので、覚悟して睡眠薬を飲んだ。ようやく、続けて5時間寝られた。