【9月7日】

10時に入院。手続きをして、病棟へ。

夫は病棟のデイルームまでしか入れなかった。

コロナ感染対策で、病室まで来ることはできない。

面会も、このデイルームで、登録された二人まで、15時から18時まで、15分だけとのことだった。

夫は、なんだか寂しそうだった。


今日担当になる看護師さんが挨拶。明るくて、とてもお話ししやすい。レンタルのパジャマを着てみる。ちょっと…ズボン小さいかな、と言ったら、ですよね、ここのやつ上と同じサイズだと小さいみたいで、皆さんおっしゃるんです、と大きなものを持ってきてくれた。


ブラは用意されました?と訊かれたので、グンゼのブラを見せる。これ用意されたんですね、たまたま、ここの病院もこれをおすすめに切り替えたばかりで、院内のコンビニでも売っているんです、と言われた。

これ、実は大学のOBオケの練習で京都にいった際に買ったもの。実店舗が京都だけ(珍しいことに東京にないっぽい)なので、ちょうどいいなと思って見に行って、触り心地よさそうだし、確かに縫製のマチがなくて身体に当たらないと購入していたもの。値段も押さえ目だったし、一時的なものなら、これが一番よさげだなと。


その後、Wi-FiをスマホやPCに繋げる。

これらが使えるのは便利。昔はなかったなぁ。

PC、小さいものを持ってきていたので、メールとか、夫の仕事の経理とかをちまちまと。

なんとなく、仕事をしていると気が紛れてよい。


部屋の窓からは、富士山が見える。景色はそれなりにいい。都会の病院にしなくて良かった。でも、院内撮影が禁止されている。窓の外は院外といえば院外?かな?


お昼ごはん。味は美味しい、というか、薄味ですごく好み。ただ、いつも食べてる量よりなかなかに…少ない。明日に向けてダイエットメニュー?でも、これが通常らしい。げ、入院中は強制ダイエットメニューなのね…。


1時から病院の説明、シャワーを予約して入り、ラジオアイソトープ室へ。薬剤を注射して、リンパ節がどこにあるのか、あとから撮影するらしい。

この時、リストバンドに主治医が手術部位を記載。

1日に何人か手術するっぽく、私の他に3人もいた。

皆はみぎ、とかひだり、とか書かれている。


最後に私の番になり、主治医は、みぎ、ひだりって書くとみぎかひだりしかみれないかも?何て書こうかなー、と、まあまあ笑えるギリギリ読める程度の字で「りょうがわ」と書いた。むしろ、何て書いてあるの?ってかんじ。横にいた看護師さんもちょっと笑っていた。


注射。先生は、注射したあと揉み込まないといけないので触りますし揉みますね、痛いですけれど我慢してくださいね、という。確かにしっかり揉み込まれたので痛かったが、はじめに言われるとそこまで感じない。

この先生、紳士というか、元々育ちのとてもいい人なんだろうな、ということを言葉の端々で感じる。冗談はたまに言うけど。荒い言葉とか、使ったことあるんだろうか。


少し時間があいて、退屈なので別棟のコンビニまで。何を売っているかみたりする。


17時、再度ラジオアイソトープの部屋へ。

前回の骨シンチでひどい目にあったので、恐怖の部屋。今回の技師さんには、閉所恐怖症で前回呼吸しづらかったので、マスクとっていいですか、と伝えたら、はい、大丈夫です、ただ、ツラいかもしれませんが、今回は両側とるので時間がかかります、なるべく手際よくはやりますが、頑張って我慢してください、と言われた。


前回の反省から、機械さえみないで目をつぶって寝ればいい、と思ってやっていたら、何とか1時間近くの撮影を乗り越えられた。


美味しいけれど少なめの夕飯を食べる。四人部屋だが、二人しかいないので静か。向かい側の人は、同じように手術前みたいだけど、なんだか泣いている感じだった。コロナ感染対策で、四人部屋とはいえ看護師さん以外と会話もしづらく、家族も付き添えないから結構ぼっちではある。そして病室では電話はできない。廊下に出て、ご家族に電話しに行って声聞いて落ち着かれたみたい。よかった。


夫とはLINEでちょこちょこ連絡。なんか、帰りがけ心配そうにしてたし。私は全然平気なんだけど。麻酔科医の、帝王切開より全然痛くないはず、所詮切り傷なんで、しかもキレイに切った切り傷なんで、という言葉は案外効いている。あの先生、名麻酔科医師になれるかも。


帝王切開、ホントにあり得ないくらい後が痛かった。術後は子供の顔をみる余裕すらなかった。隣にいると私にボコボコに殴られるので、毎回夫は避難してたくらい。

なので、毎回麻酔からハッキリ目覚めると周りに人がいない。無意識でそんなに暴れる?ってくらいだったようだ。よほど痛かったんだろうと思う。

帝王切開は産みの苦しみ知らないことはない。産んだ後がなかなかにツラい。抜糸も昔は痛かったし。


向かい側の人が、荷物を整理している。彼女も明日手術のよう。でも明日は術後戻るのはこの部屋ではなく、HCUにいくらしい。逆に、乳がんはここに戻れるような手術なんだな、と思う。今回は暴れなくてすむってことかな。コロナで周りに人はいないけど。


22時消灯。いつも23時に寝る人、しかも術前になんて興奮してて寝られるわけがない。向かい側の人も同じのようだ。二人とも、スマホの明かりがついていた。無料で極力くだらないゲームをやっていたら、眠くなり、いつの間にか寝ていた。