倒産防止手段としてのリスケジュール(条件変更)
(回答編)
「メイン銀行を動かす」
やはり、最大の借入をしている、メイン銀行Aに、リスケをしてもらわないことには、今回の効果は、ほとんど見込まれず、その目的を果たすことはできません。
でも、メインのA銀行が、それを行うには、(内部の)稟議を通すための「大義名分」が必要なのです。
すなわち、
<大義名分その1>
取引先(お客さん)から、きちんとした再建計画書の提出を受け、その内容が妥当である(これは当然ですね)
<大義名分その2>
公的な(金融)機関がすでに(先に)内諾している
~かぎを握るのが、保証協会と(Eの)公庫です。
メインを動かす手段として、保証協会と公庫を動かす。
公的なところがすでに「内諾している」という状態があれば、A銀行の担当者は、「内部の稟議」を格段に通しやすくなります。また、公的な機関は、「このような相談に乗ること自体」が業務、というか義務的な性格も有しています。
国というか関係省庁からの、中小企業へ迅速かつ親身かつていねいな相談をせよという「要請」はしゅちゅうきています。ましてや、「ろくに相談にも乗ってくれなかった」なんて金融庁に垂れ込まれたり、カキコまれたりしたら(内部が)大騒ぎになります。
よって、お客さんの返済の遅れが、ないか少なくて、かつ「初回の」相談であれば、よほど非常識な条件(5年返済のものを30年払にしてくれとか)でない限り、まず応じてくれます。
サブの銀行(B)には、メイン(A)と協会と公庫が了解した状態で、周囲を固めてから、相談に行きましょう。
全金融機関が協力しているという状態に近づくほど、お客さんにはいいことなのですが、メイン銀行にとってもいい状態なのです。
(Cの)市などの制度融資は、リスケのとき、役所の人には「当事者能力」はありません。
その事務を代行している金融機関と保証協会に交渉します。
この場合保証協会は、やはり極端な延滞がなければ、「延長保証料」は支払うからと言えば、まず認めるでしょう((それでも、ごく例外的に、制度設計上、延長できないものがあります)
(Dのように)毎月の割賦金が大きくてまもなく完済する借入は、先に完済するように
すなわち、いじらないように、交渉したいです(効果が全然違ってきますから)
が、これは「メイン銀行のはら」しだいになります。
一般的には、いくら残高が少額でも「ぬけがけ」は一切認めず、「一律の延長」を要求してきます。企業再生委員会等での再建協議の場での案件だったりすると、まず応じません。
手間がかかりますが、全機関を2往復ぐらいしないと、話が完了しないかもしれませんね。
メイン銀行から保証協会へ話がいっても、ふつうは、延長保証料が発生しない「リスケ」のことが多いです。
延長保証料が発生しないとは、最終回が変わらない(返済期間が延びない)ということです。
つまり
「1年間の元金据え置き」が認められると、当初の5年払のうち、据え置き期間終了後、元金をあとの「4年間」で支払わないといけません。
すると、先のA銀行の例でみると、残りの4年間は、@900が@1200にアップしたりします。
仮にこれを「安直リスケ」と名づけます。
これだと「目先の支払が楽」になるだけで、あとから「今までよりもっと苦しい」状態になります。保証協会の人は、このあたりの感覚が、少し欠落していることが多いです。延長保証料は決して低くはありませんが、リスケを依頼するときには、とにかく、「安直リスケ」でなく、「保証期間が延びる」リスケにしないと、あとの方の支払いが大変になります。
メイン銀行も保証協会も、「貸付期間(保証期間)の延びるリスケ」は、「安直リスケ」よりも、応じたがらないような気がします。というか、お客さんが受動的だと、黙って安直リスケにしてしまいます。金融機関的には「期限の利益」を延長しないということでして、
お客さんが考えている以上に、「期限の利益」は重いのです。
怖いのは、おとなしく、お客さんの求めに応じて、2回くらい「安直リスケ」をやってくれて、その元金据え置き期間中に、ゆっくりと、お客さんの資産(担保)処分を検討していたりします。「今、競売にかけたら、全額回収できるかな」などと考えています。
そんなときに、据え置き期間が終了しても、残月の割賦金が大きくなってしまっていて、いきなり、毎月の支払ができません。メイン銀行は、こうなることが予測できていたのにです。
「競売にかけられたくなかったら自力で高く担保物件を売ってこい(任意売買)」などと、言われてしまったりします。
また、「メイン銀行なんだから、もっと助けてくれよ」と言うと、「いまはメイン銀行などという概念はありません」などと返されたりします。