ある経営指導員のお話


金融機関にいたとき、「経済対策貸付」を申込していたある企業が、その申込を、審査後に、取下げられたことがありました。


当時、わたしは、貸付担当課の責任者(課長)をしていて、その企業の「取下げした書類」をチェックしていたところでした。


すると、ちょうどそこに、商工会議所のX指導員さんがやってきて、わたしに、猛烈な勢いで、怒りはじめたのでした。


「おい、課長、あんたのとこの融資担当者のAはいったいどうなってんだ!」


財務内容が悪いからといって、社長に、面接時に、申込を取り下げてさせて」

「こういうときのための融資じゃないのか」


「それに、ずいぶんと失礼な言い方や態度も取ったそうじゃないか。社長は相当怒っていたぞ」



「・・・???」


「???」の意味は、1つには、当時、お客さんを怒らせるのが「得意な」部下はたしかにいましたが、その人(Aさん)は中年で、どちらかというと気弱というか温厚な方。
お客さんを、激怒させるような人では決してありませんでした。


2つには、そのX指導員さんは、日頃は、ほとんど出入りというか交流のなかった方だったから    ということでした。


「(Aに限って)そんなはずはないんと思うんですけどねぇ」と、いくら言ってもまったく聞き入れません


「財務内容が悪いから、融資ができないなんてことは思ってもいないので決して言わないはずですが」
「そんなこと言っていたら、この不況のご時世に、融資できる中小企業なんてなくなってしまいますから」と、説明しても納得してくれません


とにかく「なんとか始末をつけろ」と言って、帰っていきました。


一応、上司には報告


その上で、自分でその社長に電話を入れてみましたが、「条件が整えば、また申込がしたい」とは言われましたが、特に怒った様子はなし


会議所さんにも連絡を入れて、いつもよく来る指導員さんや上の方にもフォローしましたが、どなたも特に問題にもしていない様子。


「あの指導員は何で怒っていたのだろう」


「顔がつぶれるような、何か琴線にでも触れたのかな」


いつものわたしなら、すぐにお客さんのところには飛んで行って、それなりの解決をしてくるのですが、社長が怒っていないのならどうしてみようもないし。


翌月、その指導員経由で、もう一度、その企業の申込がありました。


一応、担当を別の者にして、審査の面談をしましたが、内容等に特に問題はなく、今度は条件も整って、貸付を実行することができました。


X指導員にもその旨を連絡し、喜ばれました。




ところが、4ヶ月後にその企業は「自己破産」


支払は3か月だけでした。


その指導員さんは、破産の前後に、来店したり、会議等でお会いする機会があったのですが、


わたしを避けるかのように、その企業のことには一切触れずじまいでした・・・・



おいおい、面倒を見ていた(指導をしていた)のなら、文句をいった手前、「経過」ぐらい、きちんと説明しろよな。


プラス受信で「道は開ける」


西山経営労務事務所