男女2組の仲良しカップルが車とバイクとで2人ずつで、ドライブ(ツーリング)をすることになりました。行きはいっしょに走って、1組は車で、男の子と助手席にその彼女。もう1組はバイクで、男の子と後ろに女の子が乗ってといった感じでした。
さて、帰りは、車とバイクで競争しようかということになりました。
どっちが、その「バイクの子」の自宅に、早く着くかを競争しました。
競争なので、バイクの方の女の子は車に乗って3人、バイクは男の子1人で、よーいドンでスタート。
結果、早く着いたのは「車の3人」の方でした。
バイクの子の彼女は彼の家の鍵を持っていたので先に中に入って、バイクの男の子が帰ってくるのをしばらく待っていました。
そんなに差がつくはずもありませんし、すぐ来るはずです。
でも、いつまで経っても、その男の子は家に帰ってきません。
どうしたのでしょう。
携帯もまったく通じません。
ずいぶん待って夜も遅くなってしまいました。
それで、「車の方の男の子とその彼女」は「いったいどうなってんだ、携帯も通じないし。もう帰るから」と帰ってしまいました。
ちょうど2人が玄関から出ていったそのとき、
「バイクの男の子の彼女」の携帯が鳴りました。
出るとその男の子の声で「こっち来い・・・こっち来い・・・」
彼女「あんた今までどうしてたの!何かあったの!どうしたのよ」
「こっち来い・・・こっち来い・・・」
「こっち来い・・ってねえどういうこと?」
そこへ、今しがた出て行った「車の方のカップル」が玄関に戻ってきて、
「おい、お前の彼氏死んだぞ!事故だってさ。今連絡が入った」と。
「そんなはずないわ!だって今彼から携帯に連絡が入っているのよ、出てみる?」
と言って携帯を耳に当てると「プープー・・・・・」の音のみでした。
すると今度は、部屋の奥の方からさっきの「こっち来い・・・こっち来い・・・」が聞こえてきます。
彼女がそっちの方へ行こうとすると、
車のカップル2人が手を強く握って止めました。
「行っちゃだめだ!彼は死んで、君を呼んでいるんだ。行ったら君も死ぬからだめだ」
「いやよ、私は行くわ。そんなはずない、彼が呼んでるの!」
「だめだ、そっちに行ったら引き込まれて死ぬ!いっしょにここを出よう!」
「彼が呼んでるのよ!」
「だめだ、僕たちといっしょに出るんだ!」
と繰り返すうちに、「こっち来い・・・こっち来い・・・そっちに行くな・・・」と聞こえてきます。
ぼんやりとした意識の中で、目の前に死んだはずのバイクの男の子が自分を見ています。
そこは病院で、女の子はベッドの上でした。
「おまえ助かってよかったな。ひどい交通事故だったらしいけど。」
女の子は今しがたの「こっち来い・・」の話をバイクの男の子にしました。
男の子の話では、死んだのは帰り道で事故を起こした「車の方のカップル」。
前に乗っていて2人とも即死。
バイクの彼女だけは後ろの席に乗っていて奇跡的に助かった。
彼女を呼びこんでいたのは死んだその2人の方でした。