4年前に、お父さんとお母さんを交通事故で亡くしたその女の子はもう11歳になっていました。
遺児用の養護施設で生活をしています。
しかし、いっしょに残された弟とは別々の施設に入っていました。
その弟も6歳になりました。
でも、いっしょに生活できない理由は、「親のいない交通遺児」ということだけではありませんでした。弟は、寝たきりに近い状態、移動するときでも車いすがないと動けないからだでした。
弟の病気は「筋ジストロフィー」。
今日、お医者さんから「もって余命3か月」と言われたのでした。
女の子は、前から弟の願いだったディズニーランドに連れて行ってあげようと考えました。
でも自分1人の力ではとても「ランド内」を連れて案内できません。そもそも弟を連れて「ランド」までも行けるのかどうかも自信がありません。
女の子は「ディズーニーランド」に「お手紙」を書きました。
「どうか弟の最後の願いをかなえてください」と。
さて、ディズニーには、毎日何百何千という手紙や文書がきます。
でも、そのうちの6割は「苦情」だそうです。しかし、これに真摯に耳を傾けて、常に改善努力をしているところがディズニーの度量を大きくしています。
でも、お客さんの1つ1つの要望を取り上げていたらきりがなくなります。
会社としては、その女の子の要望にも、残念だが「応えようがない」という結論になりました。
でも、話はこれで終わりません。
その話を聞いた「アルバイト」たちが協力を申し出ました。
協力できる人が20人集まりました。
そして、女の子にはディズニーから「いついつお待ちしています」という返事がきました。
当日、ランドの入り口では1人の女性が待っていました。「夢の世界(くに)へようこそ。本日、ご案内します○○です」
それから約1日、女の子と弟の2人は、アルバイト女性の協力と案内を受けながら、ランド内を楽しくまわり、満喫して過ごしました。
弟は車いすで制限がありましたが、2人のサポートで、希望していたアトラクションには可能限り乗ることができました。
あとのアルバイト19人はどうしたのでしょう。
19人は全員、1日中、たまたま近くを通った「お客さん」を演じたのでした。好意は明らかに示されたかたちになると、半減したりかえって逆効果になると知っていたからです。
車いすで困っている弟たちを、たまたま近くの人が手伝い、助ける。これを1日演じました。
もちろん、アルバイトから連絡が行っていたので、ランドまで連れていくとか施設の人の協力もありました。
こうして、たくさんの人の協力で、その女の子の弟の願いはかないました。
千田さんのセミナーでこの話を聞いた時は、固有名詞とかもっと具体的だったと思いますが、わたしは、これしか覚えていません(すみません)。
弟は6ヶ月後に亡くなりましたが、亡くなる前にお姉さんに「ディズニーランドは、(今までの人生で)一番楽しかった。もう一度行きたいなあ」と言ったそうです。