13Vファイナル雑感 男子編 | バレーボールワールド     中西美雁の日々是排球

13Vファイナル雑感 男子編



まだまだテンパり中ですが合間を縫って。



優勝がサントリー。順当ですね。
MVPが越川。これも順当。
新人賞がトミー。これも超順当。ていうか他の選手になったらびっくりです。

ただ、ちろりと思ったのは。
越川でももちろんいいんだけど、荻野や栗原、津曲でもよかったんじゃないかなあ…ということ。

東レの敢闘賞ニコロフは、彼以外にないでしょうという感じですが。

そして次の日の女子の受賞を見ていても似たような感想を持ちました。

久光優勝。順当ですね。
先野MVP。これも順当。
敢闘賞がケニー。そりゃ当然だ!

でも、成田でもよかったような気もするし、アンナでも狩野でも佐野ちゃんでもよかったような気がする。

男女ともそういう、ディフェンスを重視し、攻撃も比較的分散させるチームが優勝し、超強力な攻撃力を持つ外国人助っ人中心の組み立てのチームが準優勝というね。

あ、待て待て。女子については武富士の方がそれに近かったかな。。。

まあ女子のことはまた後日。
女子の写真、まだ整理できてないんですよ。すいません。

男子のファイナルは、サントリーと東レの一騎打ちだろうなあと予想していた方がおおかたでしょう。私もその1人です。リーグ中盤くらいから誰かに聞かれるたびにそう答えてきましたし。

大穴でパルプンテ山本を擁するパルプンテパンサーズかなあ…と。

1セット目に富松のブロック得点でスタートを切った東レが4点か5点リードを奪ったのに、サントリーがそれをひっくり返したのがこのゲームの大きなポイントだったわけですが。

東レはここで控えリベロの掛川をレシーブ固めでベテランの笠原にかえて投入します。

これは、ニコロフを中心とした攻撃の軸に、二つめの軸として今季大活躍した今田を最大限生かすための策だったかと思われます。

サントリーの方も、攻撃の主軸の一つである越川のサーブレシーブの負担を極力減らすため、津曲と荻野のレセプション力に、非常に大きな役割を振り分けてきました。
私が荻野と津曲もMVPでも何ら不思議はないと思うのは、この辺が理由です。
栗原の相手ブロックを振り、それだけでなく自陣のアタッカーを乗せよう乗せようとする巧みなトスの組み立ても、安定した攻撃力に欠かせないものでしたしね。


しかし、掛川は入ってすぐにサーブで狙われ、エースを献上。今田も調子を取り戻すことなくサーブは全てミス。決定率も20%台と、上手く機能することができませんでした。

もう後がなくなった3セット目に2セット目終盤に入れて流れを少し変えた柴田をスタメンで投入。難しい場面での起用でしたが、臆せず本来の力をいきなり出してコート内の雰囲気を変え、笠原のものすごく気合 いの入った、でもにょろにょろっとした不思議サーブでサントリーのレセプションを崩して連続得点したりして、3セット目は東レがとりました。

サントリーはサーブで狙われ続けた荻野をいったんベンチに下げましたが、4セット目に再び戻し、レセプションが返ったときはコンビ、相手の攻撃にもねばり 強くブロックとディグから切り返し、レオが2段を打ち抜くというパターンでしっかりと得点を重ね、勝ちを焦ったかミスの多発した東レを破ります。

サントリーは個々の能力もレベルアップしていましたが、チーム力、組織力が非常にしっかりしたチームができていました。


チームって生き物なんだなあ…と思うのは、わずか数年でサントリーと東レのイメージが逆転したことですね。善し悪しは関係なく、チームのコンセプトが全く入れ替わったような気がします。

超人ジルソンに、役立たずだったフォーミンを外して日本人全員で死力を尽くして闘っていたのが、あれは4年前?

圧倒的な強さを誇り、ブロックとディグの鉄壁の連携から、アタック決定率の数字そのものはそれほど高くなくとも必ずどこからでも打ってきて粘り勝ちするチームだったのが2年前。

サントリーはジルソンサンバーズとして「ジルソンが決める」というチームコンセプトを選手達がきちんと認識し、納得し、勝利のために徹底していました。それはそれで、潔さと勝利にこだわる気持ちが感じられる良いチームでした。




MVPを読み上げられたとき、越川が大泣きしていたのが少し意外でした。もっとふてぶてしい態度でいるかと思っていたので。

前回の優勝はジルソン最後の年で、越川自身は新人で怖いもの知らずの頃でしたから、今回の優勝と受賞は結構感激したのかな? 
何度も何度も「チームのみんなにとらせてもらったんで」とコメントしていましたが、彼のいつもの優等生的な発言というよりは、本心からのものだったのか な……。それを実感できたとしたら、世界バレーで思うようなプレーができず、リーグでの活躍に賭けた甲斐があったのかも知れません。彼の飽くなき上昇志向 と、バレーボールがチーム競技であることの特質が上手くバランスがとれたとき、新たな地平が開けることでしょう。

山村がきちんとファイナルに間に合ったのも大きかったかも知れませんね。斎藤さんが「負けられません」と一言。2人のコフコフ同士、切磋琢磨してください。
不調だったときも佐別當と2人でコートの中に向けて一生懸命声援を送っていた姿が印象的でした。


去年のゴッツに続く怪童内定新人の富松は、これほどの大舞台にも全く気後れすることなく暴れ回っていたので、ワールドリーグが楽しみになりました。
本人は「賞は嬉しいですけど、次は賞は要らないから勝ちたい!」と利かん気そうなコメント。「そんなに緊張はしなかったです」とのこと。確かにあんまり硬くなっているようには見えませんでした。

柴田は多分このファイナルという特別なゲームでのサントリー戦では、必ず鍵になってくると思っていたので本人にもそう言っていたのですが、私の予想を超え て良い働きをしていましたね。最後のサーブミスは悔いが残るでしょうが、悔しさを思い出すたびに、さぼらずにマジメに練習してください。


そして、就任1年目でこのチームを作り上げた河野監督には、マジで脱帽です。
びしっと決まったスーツと髪型が素敵なだけではなかったのでした。

矢島さんと小林コーチがどう反撃してくるかが楽しみですね。

んー、見事に「雑」感ですな。まあいいや。雑感だから。


そんじゃまた!