ワールドグランプリ | バレーボールワールド     中西美雁の日々是排球

ワールドグランプリ

土曜日にワールドグランプリを観に行った。
去年もそうだったが、今年も超満員で代々木がいっぱいになっていたのには驚いた。先週が男子のワールドリーグで、あまりにがらがらでエアコンが効きすぎ、身も心も寒かったのとは対照的である。

ポーランドvsブラジル戦から観に行ったのだが、ポーランドがぐだぐだ過ぎて途中でいやになってしまった。美形はいっぱいいたので、殿方は楽しめたかもしれない。

日本戦は吉澤でスタートしたのを菅山に変えて、後ろのレシーブ固めだけかと思っていたら前でも使ったので驚いた。会場内のモニターを見ていると、彼女のアップばかりが写っているので、フジテレビ-柳本監督の連係プレーであることが判明。メグカナなしの大会を盛り上げるためのニューヒロインを作っているわけだ。

確かに美人で、しかも背が169。拾って打つヒロインは日本人好みだし、一部長身マニア以外の男性陣もはまりやすいスペックだ。メグカナ・サオリンの10代トリオの時も思ったけど、この人はあざといほど上手い。

チームでリベロをやってる選手をレフト起用というので最初はだいぶ「は?」と思っていたが、人気は普及と強化に大切なファクターだと考えればこれも「あり」なのだろう。斎藤真由美さん系の知的な美形で、佐伯美香のように低身長ながら拾って打つ。フジテレビがナニを考えたのかもう手に取るように分かる。私がスタッフでもこの案を推すかもしれない。うがった見方をすれば控えを作れないポジションであるリベロではなく、スパイカーで起用することがプレーに華も出、チーム力も安定するという判断だったのかも。そこまでは考え過ぎかな。

低身長の選手が高身長の選手をきりきり舞いさせる姿は本当にエキサイティングだ。男女、競技を問わず。セリンジャーは生涯で一番面白かった試合は、81年のワールドカップだと言っていた。ほぼユニチカの小島ジャパン、拾ってつなげるレシーブヒロインたちの時代である。ソ連やアメリカを相手に(相手はちょっと違ったかも?)フルセットを繰り広げ、会場中を大いにわかせた。しかし勝てなかった。

セリンジャーはユニチカ型のバレーとは対極にあるバレーをしている。彼にそのことを確認すると「とても面白い、興奮する試合だった。小さな選手が懸命に拾ってつないで大きな選手達を翻弄する。でもね、それは面白いけど世界では勝てないバレー。私はプロの監督だから、勝つバレーをするんだよ」