土日の間にブログ更新できずすいませんでした。今回は10月の下落相場を乗り越えた後のお話をしようと思います。
配当金を目的とした投資(インカムゲイン投資)は、企業の利益を吸い取る形で成立をしています。しかし、配当金が欲しいなら企業にこだわる必要もないのです。
今回は配当金(正確には分配金)を出すREITと高配当株の違いについて考えていきます。
REITとは
REITとは不動産投資信託のことです。不動産と聞くと株式投資とは全く別のものと思われがちですがREITは不動産を証券のように扱える金融商品です。したがって証券取引所でやりとりができます。不動産の種類は主にオフィスですが住居やホテルなども存在しています。
REITの仕組みは次の通りです。
投資家が投資法人にお金を投資する。→投資法人やスポンサー、運営会社などが物件を購入し管理運用する。→賃料を部屋を借りている人から徴収し投資家へ還元する。
不動産投資としていることは同じなのですが、特徴はいくつかあります。
まず、証券なので一つの不動産を多くの人が扱える点です。100万円のたてものを10人で投資すれば一人当たり10万円でよいということです。現物の不動産を扱うよりはるかに安く優良な物件を所有できます。
次に運用や管理が不要という点です。現物だと老朽化や住民トラブルの解決など様々なことが要求されますがそのようなことはありません。投資信託とつくだけに一つのREITで複数の物件を購入できるのも魅力です。
物件によってはホテルや倉庫もありますが同様です。
そして最後に税制面の優遇があることです。これは投資家にとってではなく投資法人にあります。90%以上を分配金として出すことで法人税が実質0円になるということです。そのため分配金は高く株式では「危険」とされている利回りでも安定して出せるわけです。
注意点としては次の通りです。
基本的に内需であること、業績に投資をしていないので需給に振り回されやすいこと、景気に左右されやすいことです。
日本国内の建物であるため、内需が基本です。オフィスや住居などはその代表です。むろん、外国人が買い付けるということもありますし物流であれば世界経済に左右されますが直接経済活動を行う企業よりは遅れたり影響が変わってきます。REITのポートフォリオにもよりますので注意をしましょう。
業績に投資をしていないというのも同じようなことです。企業はものやサービスを売ることで利益を得ています。新しい技術や他国へ飛び出ることで拡大をします。REITは物件の価値とどれだけの賃料を得られるかが収入のカギとなりますので運営上の問題としては業績と物件という違うものに投資をしていることに留意しましょう。物件というものに直接投資をするので破損リスク(倒壊、地震や火事など)、テナントに人が入らないというリスクも付きます。
そして投資家にとっては投資法人がすでに税制優遇を受けているので「配当控除」が確定申告時に適応されないことに注意です。
現在では20%程度の税金が総合所得関係なく徴収されます。
株式であれば確定申告をすることで適切な税率が徴収されます。ちなみに20%(所得税15%)の所得は900万円ですからおおくのひとは確定申告をすることで還付される額がいくらかあるでしょう。
高配当株との違いはいくらかお判りいただけたと思います。
投資先の違い、分配金の高さの理由、リスク、税制面のメリットとデメリットと多岐にわたり解説をしてきました。
これらを吟味したうえで適切なPFを組んで安定的な運用を目指しましょう。
例えばインカムゲインはREITでキャピタルゲインは成長株にするや配当はREITにして優待は株式にする、高利回りとしてのREITと増配としての株式など様々な組み合わせができます。単純にREITを現在のPFに追加して設定した保有割合を目指すのもよいかもしれませんね。