以前に「投資したくなるベンチャー企業」という記事を書いた。

逆にベンチャーの側で「投資して欲しいベンチャーキャピタル」について考えて見たい。

勿論、自分の会社の将来性を高く評価=高い株価で多くの金額を投資してくれるベンチャーキャピタルはありがたい。

2000年のベンチャーバブルの頃には、創業から数ヶ月、売上げゼロで、株価数十万円(まだ一株5万円の時代)という逸話もあった。しかし翻って見て、正直、金の魅力は否めないが、金お金だけだろうか?


勿論、資金調達に期限とか、調達額に制約があると、そうは言ってはいられない。ただがむしゃらに必要額を必要な時期までに集めることが、事実上最優先である。ただ、そうなるとすでに立場は弱い。しょぼん 

ベンチャーでもそういう例が少なくないが、少なくとも当社では銀行借り入れでこれまで凌いできた。まさに竹中大臣、さまさまで、中小企業向け貸し出し強化の恩恵でウチも無担保でかなりのまとまった資金をデットで調達できている。品川移転も敷金や内装代など銀行が融資に応じてくれなければ、厳しかった。まあ、できるだけの余裕はあったが、9月の期末仕事の入金までハラハラすることになっただろう。

ベンチャーと言えども、「銀行は担保がないと貸してくれない」などと昔の情報で嘆いてばかりいないで、昨今の実態に即した資金戦略をとるべきではないだろうか?


More than Moneyの支援というが、前報にも書いたが、ベンチャーの営業を、第三者のVCリストが万能で売上げを作ってくれるという淡い期待はしていない。当社でも、顧客の紹介は期待しないではないが、1stコンタクトだけをお願いしたくて、そこから先は逆に余り関与しないで欲しい。 そう、関与しないで欲しいのだ。 勿論、必要な情報開示はするし、IPOにむけて相談したいこと、お願いしたいことは山ほどある。 ただ、自社でやることは自分でやるから、無用な口出しをしないで欲しい。

ベンチャーキャピタルからの資金調達も、結局のところ第三者割当増資だから、一つの舟に乗ってもらい成功に向かって漕いで行くのだが(Same Boart)、むやみやたらに掛け声かけられたり、間違って漕がれても困るわけで、舟の中では船長にしたがって欲しい。

要は過剰な介入はご遠慮いただきたいパーということ。


中には取締役会決議事項の事前承認を要求するところもあるが、これは過度な介入とお断りしたくなる。承認が得られなくて経営判断が遅きに失したら、その責任は?債務保証はどうなるのか?

また、昔々あるベンチャー企業で、投資をしたキャピタルの担当者(キャピタリストとは呼びがたい)は、まあ心配のあまりであろうが、飲み会のあと夜中に酔って会社に来てさんざんくだ巻いたり、顧客紹介と称していろいろ紹介してくれるけど筋が悪いから一つもクロージングせず無駄に疲弊するだけだった。

投資におけるデューデリもそうだ。あまりに形式的、経営上どうみても重大な影響がない情報まで求めるのはどうだろう。


こうした例は極端だろうが、未公開企業への投資であるから、信頼関係グッド!に基づく投資が望ましい。

キャピタリストと経営者として、互いに信用し尊敬する関係でありたいし、あるべきだと思う。


投資して欲しいベンチャーキャピタル。ちょっと生意気かも知れないが、経営者を、会社を、信用してくれるキャピタルにSame Boartに乗って欲しい。



船