インド紀行は一回置いて。。。
VCとして投資したくなるベンチャー企業の条件は何か?まさに思い当たるところを徒然に。
まず、儲かる=投資して短期間のIPOまたはM&Aして、何倍にもなってキャピタルゲインを得ることだ。最近で言えばミクシィに投資したネットエイジ などはその代表例だろう。
ここで問題になるのは、ネットエイジはおそらくSNSの事業計画を見てその有望性に投資したのではない!ことだ。ミクシィ(当時、イーマキュリー)は求職サイトFindJobをしていたから、それを見て投資したはずだ。勿論、ネットの将来性に賭けてポートフォリオ投資する中でミクシィが出てきたわけでそれは勿論、小池さん、西川さん、さすがというより他はない。ポートフォリオ にもまだまだ有望そうな会社もありますし。あまり言うと風説の流布か?
では、儲かるベンチャーをさらにブレイクダウンするとどうなるだろう?
前例でもはっきりすることは事業計画どおりにベンチャーが成功するとは限らないことだ。
全体的な方向感とその中で経営チームの卓越さこそが投資の決め手となる。あとは経営チームが市場・顧客を熟知している/顧客からのフィードバックを得られる立場にあることも重要だ。間接的な営業手法に頼っていると、どうしても機敏な打ち手を逸する。
では、魅力的でも投資できないベンチャーは何だろう。
まさに念頭には大学発ベンチャーがある。技術はすばらしい。顧客もイメージされている。ただ、訴えるものがない。。。
エリート・アントレプレナーこそ陥りやすいのが、堅実な、嘘のない事業計画に固執するあまりこじんまりとした計画に終わることだ。VCが投資するのはリターンが大きいことを期待させる、一緒に夢想できるベンチャーだ。嘘や法螺は化けの皮が剥がれるが、どの道、時間を費やすなら大きな夢に賭けられた方が良い。そうでなくても上手くいって年商10億円・利益1億円のビジネスでは、投資検討するサイドも元気がでない。やはり第二のグーグルとまで言わなくても、グローバルにイノベーションを興し、ウン百億、ウン千億円の売上げを狙えるビジネスに、それを計画できるアントレプレナーに投資をしたい。
若いネット社長が威勢よく”世界制覇”を公言するのも困りモノだが、大学から優れた技術移転を受けて"5年目に漸く年商10億円"も困ったものだ。
要は10億円で終わる計画というのは、単品経営で今、目先にあることしか計画できない、持続的拡大のしかけができない経営チーム、事業領域だということの証左であろう。単品経営の失敗というとカンキョーのクリアベールを思い出す。カンキョーが挑んだこと自体はすばらしいが、末期の無作為な多角化とその失敗はいただけない。”良いもの”=クリアベールを作るのが限界で、イノベーションをビジネスにする度量が無かったと(後で言うのは簡単だが)言うことかも知れない。
VCを騙しても仕方ない。
ただVC交渉で貴重な時間と心を使う前に、自らの挑むビジネスが井の中の蛙でなく、真にイノベーティブか、持続的拡大するしかけを内在するものかを、一度自問自答すると良いでしょう。
それともう一つ。
ミクシィとネットエイジの例でも明らかなように、VCは提示されたビジネスプランの実現可能性を調査して議論する訳だが、それが的中するとは限らない。ネットエイジのようにある方向感の中で素敵なアントレプレナーに投資したいものだ。VCもファンド投資になるとファンド投資家への説明責任ばかり気になるが、これはまったく本末転倒の話だから、我ながら戒めないといけない。ファンド投資家が求めているのは結果としての高い投資利回り、社会が期待するのは間接金融の世界では伸ばせないイノベーティブなベンチャーの育成。
全然、結論に至らないが。。。