家庭科室で作品を作る夢
家庭科教室でそれぞれが自由課題の実習に取り組んでいる。自分は肉厚のキルティングの小物をミシンで上糸を黄色、下糸を青で縫っている。共有の作業台が狭いのでミシンは子供のおもちゃのような小型の機械を使うが、電源の延長タップも共有で各人が繋げているので引っ張って隣の邪魔にならないように互いに気を遣う。
講堂では演劇部の生徒によるミュージカルが催されていて、教室内のスピーカーからライブで音声が流れている。上演前に舞台で衣装をつけた主要な役の生徒達が意気込みなど制作発表のような挨拶をしていて、仲の良い友人も出ている。憧れの役につけた喜びを語っていて自分もしんみりする。
自分はミシンの針が何度も折れてしまい埒が明かないので手縫いに切り替える。青の糸で縫うが針が長すぎて運針がしにくく縫い目もガタガタ、針を抜くと糸が生地にしごかれてチリチリの毛糸みたいに絡まって嫌になる。作業台の上には狭いのに誰かが連れてきた赤ちゃんがいて、退屈しないように時々構いながら作業する。
教室内に座っている先生に出来上がり次第作品を提出する事になっていて、終わった人が増えていく。隣の人はドレープのある華麗なマントを仕上げにかかっている。自分は糸を抜いて何度もやり直し大幅に遅れている。
放送中のミュージカルが佳境にはいって生徒たちと先生も、全員席を立ち講堂で舞台を観ようと教室を出ていく。自分には音声と同時に舞台の上の映像が頭の中で見えているように想像できるので、一人になって手を止めて演劇に意識を向ける。作業台にいた赤ちゃんを抱っこして友人や生徒達の渾身の演技を鑑賞しながら、一方で縫い物をどう最後まで仕上げたら良いか考えている。