認知症5年目くらいから、母は食事の際にご飯茶碗を手で持たなくなった。
机やお盆に置いたまま前かがみで食べるようになり、こういう基本的な生活習慣はずっと記憶に残ると思っていたので最初に見た時は少々驚いた。
が、筋肉も減ってきているだろうし、どこかに負担がかかるとつらい姿勢だったり理由があるのかも知れないので、食べられればOKとしていた。
ある日、お盆に乗せた食事を母に渡そうと思った時に私の携帯に着信があり、母が手を伸ばしたのでそのまま渡して少し離れたところで話していた。
電話を切って母のところへ行くとおかずを手前に、ご飯と味噌汁を奥にして食事をしている。
「これは、逆だね」と言ってお盆の向きを変えると
「このお盆には、向きがあるの?」と。
遠くからお箸でご飯を口に運ぶ事に不便を感じないのもアレだが、どれが主食でどれが副菜なのかが もう分からないのかも知れない。
その後、お茶を飲むのにお箸を置こうとして、まだご飯の残っている茶碗にお箸を突き刺した。
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さすがにそれは見過ごせず
「これだと亡くなった人のご飯になっちゃうからダメだね」と言ってお箸を抜くと
「もうそろそろ死にそうだからいいよ」と笑う。
うーん、これも「食べられればOK」を貫くべきなのか...。
