今日は認知症専門科の初診日。
入院で予定が延びたが、ようやく今日を迎えた。
思えば、認知症の診断が必要かもと思ってから10年以上経っていると思う。

昔は「認知症に効く薬」があると思っていたので、早く受診しなきゃと焦っていたが、進行を遅らせるだけ、それも1-2割にしか効かないと聞いてからは焦りは無くなった。
とりあえずアリセプトは飲んでいるし、それが有効なのかどうかも分からない状態では、受診の必要性も感じなかった。
ただ、父の場合は性格的に問題ありorもしかしたら何かの精神疾患ありと思われるので、今後手が付けられなくなった時の保険として、どうしても受診が必要だと思う次第。

また、次回以降の介護保険申請の際に、既に腰の痛みが無いのに整形で意見書を書いて貰えるとは思えず、内科的にも特段介護が必要な持病があるわけでもないので、それで介護度が落ちるのも困る。
一番大変な症状は認知症なので、専門医にかかっておかないと、次回の申請がスムーズに行かないと思った。

さて一番の問題は、地域に「精神科」として馴染み過ぎているM病院に父をどうやって連れて行くか、だったが去年までは覚えていたM病院の事が、何と父の記憶から消えていた事が分かった。
以前はM病院で脳の検査ができるらしいよとか、高齢者用の外来で色々診察してくれるみたいだよとか話を切り出すと「俺を精神科に入れるつもりか!」と怒鳴っていたのに「近くに、そんな病院があるのか?」と。

認知症が進んだという事でもあろうが、無駄な労力を使わずに連れ出すことができて何より。

受付を済ませると、私は聞き取り、父はCTや各種テストをした。
一通り終わって診察室に呼ばれると、先生は「中程度」と仰る。
自分で、着替えたり食事をしたりできるわけだし、内容はすぐ忘れるが新聞や本も読める。CTの萎縮部分を見ても、中程度と言うのは妥当な感じがした。

先生がA4の紙を父の前に置き、丸い円を書いて時計のように1から12まで数字を入れて下さいと。
ほぼ正円が書けて1から順に数字を入れていく。

正時、3、6、9にシルシを付けてから1、2と埋めていったほうが正確に書けると思うのだが、父は1からどんどん書いていき、8時の辺りで書き終わってしまった。
--なるほどねえ。
--分かりやすいテストである。
6時辺りで終わってしまう人も、13以上書く人もいるらしい。

アリセプトの処方箋を持って向かいの薬局に行くと、待っている人は数人なのになかなか呼ばれない。
父を車に残しておいたが中から鍵を開けてしまえばいくらでも外に出られる。
1分毎くらいに薬局の中から駐車場を確認していたが手前にワゴン車が止まってしまい
車の中が見えなくなってしまったので心配で車のところに行くと丁度父が車から出てきたところだった。アブネー

「いつまでかかってんだ!」

はいはい、そのクレームは薬局にどうぞ。

放っておいたらどこかに行ってしまう可能性があるので、面倒くさいが連れて薬局の中に戻って長椅子に座る。
先ほどの病院でのテストのことを覚えていたらしく「積木なんかさせやがって」とか「子供じゃあるまいし時計なんか書かせやがって」とずっとご機嫌斜め(・・;

ま、とりあえず専門医に認知症ですとお墨付きを貰えたので、いいじゃん。

暫く待って名前を呼ばれたので父を長椅子に残し薬を受け取る人の椅子に腰掛けたら、向かいに30代前半くらいの若い薬剤師が来て斜めに椅子に座って足を組んだ。

--なんか失礼なやつだな

「今日はどうしたのぉぉ?」

--いや、門前でドネペジルしか出てないんだから一目瞭然でしょ

ちょっとムッとしていたら

「ん?今日はどうしたのかなぁ??」

--なんだこいつ

「急いでるので会計してもらえます?」
「あ、急いでるのね?はいはいはいはい」

---益々、なんだこいつ

いつまで待たせるんだと怒っている他のおじさんの声を背中で聞きながら
ここには二度と来ないと心に決めた。