叔母のことでそれどころではないのだが、
念願の父のB病院の診察をキャンセルするわけにはいかない。
何としても先生の口から車の運転をたしなめて貰わねばならないからだ。
当日、病院に行くことを忘れていたのでもう一回説明。
私「年齢のこともあるしね。脳や心臓や色々見て貰ったほうがいいと思うの」
父「そこは、どこの大学病院なんだ?」
私「大学病院じゃないから、先生もいろんなところから来てるんじゃないかなぁ」
というと、ちょっと不満そう。
そう、父は大学病院が大好き。
というか地元の医師を「田舎の医者」と言っては小馬鹿にする。
住んでいる地域に関係なく自分よりよほど優秀だろうと思うのだが、そんなことは関係ない。
大学病院は優秀、そこにいる医者は優秀。
そこに通っている自分が優・劣で「優」なのだ。
ちゃんと車が運転できていた頃は、高速道路で1時間余の大学病院に通っていた。
自分でも運転が危ういと思ったのか、私も何度か父の車を運転して行かされた。
私の仕事や用事は全無視で、その日の朝突然◯市まで運転しろと言ってくる。
行けないと言うのは簡単だが、本人はともかく周囲を巻き込む事故など起こされては大変なので行くしか無い。
薬を貰うだけになってしまってからは、待ち時間が長い事もあってさすがに面倒くさくなったらしく
その病院の処方のままの内容で、地元の先生に処方箋だけ出して貰っていた。
「田舎の医者にこの処方はできない」のだそうだ。
--投薬にも黄金比率とかあるのかな![]()
病院に近づくと、アレは持ってきたんだろ?という。
アレとは商品券or現金である。
私「持ってきてないよ、今日は ほぼ検査だけだから」
--多分私は手術でも持って来ない。
病院で頭部のMRIなどを受け、結果は後日と言われるが、診察もあるので待つように言われる。
待っている間、トイレに行くふりをして受付に走る。
「カクカク・シカジカ、そういう訳で先生から運転をやめるよう強くご指導頂きたく・・・」
取って返した私は待合室で、先生を優秀だとせっせと持ち上げてはひたすら父に言い聞かせる。
何せ「優秀な先生」の言うことしか聞かないのだ。
「クソジジイさーん」と美人の事務員さんの澄んだ声。
おっ、オヤジ呼ばれたで!
o(^^)o ワクワクしながら診察室に入る。
先生「年齢的にも思い通りにできないことが増えてきたと思いますが......」
--来た!
先生「今日は運転してここまでいらしたんですか?」
父「いやぁ、娘に乗せてきてもらいましてね。もう歳ですから運転はしてないんですよ」
な、何と![]()
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どの口が言うのか![]()
先生、訝しげに私を見る。
うぉーっ、これじゃ私が嘘つきじゃないか![]()
何という変わり身の早さ。
うちのジジイは、これをやるのだ。
今までも何度もやられたのに迂闊だった![]()
普段は支離滅裂なくせに、
ここぞという時にどう答えるのが正しいかの選別ができる。
くそっ・・・負けた![]()