夕方母から呼ばれた。
父がまた訳の分からないことを言って手が付けられないらしい。

事の発端は、近所の公園の放送だ。
「.....の方は、お車にお戻りになられますようお願いします」
の「お戻りになられますよう」が気に入らなくて
もう何年も前から文句を言っている。
助動詞の使い方が間違っているとか言うのだが、心底どうでもいい。

過去に実際に文句の電話をしたことがあり、
「仰るとおりですと言っていた、ほらみろ」
とご機嫌だった。

父はひいき目に見てもクレーマーなので、

先方の対応としてはマニュアル通りの受け答えだと思うが、

問題はその後もその言い回しのまま父の家まで放送が聞こえる事。
今日は、放送が聞こえた時に特に虫の居所が悪かったらしく
母に、公園に指導に行けと。
そんな事、母じゃなくてもお断りであるが、
今度は俺に逆らったと矛先が母に向かったらしい。

昔々のハナシだが、プロ野球を見ているときアナウンサーが
「○○選手のタイムリーヒットが出ました!」
と言ったのだが、父は
「タイグリーと言った」と言ってきかない。
意味を考えたって、タイグリーなんて言う筈ないのだから
恐らく100人いたら100人が、ムがグに聞こえただけ、もしくはどうでもいい話しだろうが、父は違う。

テレビ局に電話しろ、と母に言う。
そんな変な電話ができるはずもなく、それでまた父が怒る。

精神疾患なんじゃないかと思って過去に調べた事はあるのだが、
ピッタリくる症状が見つからなかった。
一部、コレコレと思ったものがあっても他の症状を見ると当てはまらない。
何とかして精神科に連れて行って、そのまま入院ならともなく
帰ってきて母に危害が及ぶのも困る。

性格なのか精神疾患なのか分からない。
そうして何年も経ってしまった。


blogなので、時間があるとき、気が向いたときしか書かないが
こういうやり取りはほぼ毎日起こっていて
仕事や買い物から帰ってきて車庫に入れたあと
私は先ずバックミラーを見る。

バックミラーの先には父の家の勝手口が見えるのだが
何か起きているときは必ず母がそこに立っている。
要は手が付けられないのでSOSということ。
帰ってきて3回に2回はそこに母が立っている。

本当に気が重くて、気が重くて
泣きたくなるほど行きたくないのだけれど
母がかわいそうだし、放っておけばおくほどエスカレートするのが分かっているので仕方なく行く。

父の話はとにかく楽しい話しがなくて
朝から晩まで誰かを悪者にして責め立てるのだが
責める相手はTVのアナウンサーだったり
新聞記者だったり本の著者だったり
どこかの店員だったり救急車の音だったりするのだが
眼の前には母か私しかいない。
それでも、私は別棟に住んでいるので逃げ場があるが
母は逃げ場がない。

父の話しを聞いていると
まだ心身が元気な私でさえ気が変になりそうなのに
母はまだ耐えられるだろうか。