出口まで夢中で走った。


ただ怖くて走ったのではない…。


引っ張るなよと、振り返ったH君の服の裾を掴む子供の手がオレには見えたから。

たぶんオレにしか見えてなかった。


トンネルを抜けるとすぐに急カーブになっていて、ガードレールもない山道だから、墜ちる車が多いそうだ。


トンネルで見たことは、他の二人には話さなかった。

オレが怖がらす為にわざとやったことにしてその日は三人とも家に帰った…。


他の二人はともかく、オレには見えたあの手が気になって落ち着かない…。


怖くて眠れない…。


でも、疲れてたオレはいつの間にか眠っていた。



「カサカサっ」


何かの物音がしたような…

眠りから意識が覚めてきた瞬間、耳鳴りが頭に響き、体が動かせなくなった。



つづく。