プランバナン寺院郡でございます。 | 実力行使でございます-アジア流血巡礼紀行-

プランバナン寺院郡でございます。

さて、やって来ましたプランバナン。ここは九世紀に栄えた古マラタム王国の中心地でございました。そして東南アジアを代表する壮大なヒンドゥー寺院でもあります。

↓はプランバナンの中心であるロロ・ジョングラン寺院でございます。
神々の足跡-アジア宗教研究紀行-

九世紀とは、日本では平安時代初頭。京都が我が日本の首都として整備されたちょうど同時期の世界文化遺産でございます。


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カンボジアのアンコールワットに負けず劣らない、素晴らしい石積みの建造物でございます。


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このような遺跡は、間近で見ると繊細なレリーフを確認することができます。日本の木造寺院にはない、東南アジア独特の宗教美術でございます。


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わたくしの勝手なイメージではございますが、見れば見るほどレゴブロックで作ったお城にそっくりでございます。

ふざけていると思われるかもしれませんが、実際にある決まった形の石を積み上げて作ったという点ではこの表現は間違っていないでしょう。ということは、建材を厳密に規格化していたということであって、それには当然長さや重さの単位の統一、そしてその単位に基づいた設計を行う職人が存在したということでございます。

単位の統一というのは、貨幣のそれと同じく国家の一大事業でございます。古代では集落や都市ごとに使う単位が違っていたりしましたが、そんな状況ではこのプランバナン寺院郡のような建造物は決して生まれません。特にジャワ島はいくつかの国家が並立しておりましたから、もしかしたら単位に関する超国家条約のようなものがあったのかもしれません。現代ですらイギリスはつい最近までメートル法に批准していなかったのですから、古代ジャワ人がいかに偉大であったかを察することができます。


さて、この偉大な寺院には種違いの兄弟というべき建造物が存在しておりまして、それが此度の火山噴火で閉鎖となったボロブドゥールでございます。

インドネシア当局はボロブドゥール閉鎖を二十九日までと発表しておりましたから、再び山が怒り出さなければ明後日にはカメラを片手に伺えると思うのですが……。

この先のことは、神任せでございます。