なぜかこっちは開いている。 | 実力行使でございます-アジア流血巡礼紀行-

なぜかこっちは開いている。

ボロブドゥールが閉鎖されていると知って落ち込んだ日から一夜明けました。

昨夜、酒場でもう一つの文化遺産のプランバナン寺院は開いているという情報を聞いたので、これから伺うことに致しましょう。

しかしなぜ、ボロブドゥールだけが閉められているのでございましょうか。まあ両方クローズされたらわたくしも大弱りなのでございますが、やはり風向きの問題なのでしょうか?ボロブドゥールとプランバナンは向かい合った位置にございますから。

それにしても、ここジョグジャカルタ。

大変居心地のいい街でございますな! 物価は安いし、しつこい売春婦はいない。何より両替所がたくさんあります。

というのも、首都ジャカルタでわたくしはいらぬ苦労を積んでしまったのでございます。実はこのわたくし、今回の旅では日本円の現金を一切持ち合わせていないのです。盗難防止のために、キャッシュはすべてトラベラーズチェックに換えてしまいました。

しかし、それがジャカルタでは災いしました。タクシーを乗り継いで銀行巡りをしたにもかかわらず、どいつもこいつも「T/Cは受け付けておりません」とぬかしやがってコノヤロクソッタレ~!

……はっ! わたくしとしたことが下品な言葉を口にしてしまいました。いけませんいけません。

しかし、このせいでわたくしの財布から60000ルピアが昇天してしまいました。そして哀れなT/Cはルピアに変身することができず……。

わたくしはジャカルタの不便さをしみじみと感じながら、涙を流しつつジョグジャカルタ行きの列車に乗ろうとしました。無駄に使った60000ルピアがどうしても惜しい、せめて地元の人とポーカーでもして20000ルピアでも回収できないか、そう思いつつ切符の発券所に並びました。

すると神はわたくしに福音を与えてくれました。何とすぐ前にいた男性が、ポケットから50000ルピア札を地面に落としたのです。

しかもその男性は急いでいたらしく、紛失に気づかないまま駅の奥へと消えていきました。こうなると、「お金を落としましたぞ!」と後を追うことはできません。


ごっつあんです!


あ、いや、これはネコババではございません。男性がゆっくりとした動作だったら、わたくしもちゃんと声をかけることができたのです。それができない以上、まさかお金を捨てるわけにはいかないでしょう?

そう、これは神の福音なのでございますですハイそうでござんすエエ(狂)。

……というわけで、わたくしはジャタルタという街にあまり好感は持てませんでした。

それに比べてジョグジャは、ちゃんとT/Cでやり取りできる両替所が安宿エリアに何件もございまして、上記のような苦労をせずに済むのでございます。

あ、ですが神の福音ならいつでも大歓迎でございますよ、ハイ(←とんだ不信者)。