ラースとその彼女 | ★どどめ色キコウ★

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だいぶ前に借りたDVDの予告に入ってて、おもしろそうだなあ と思ってはいたものの、友達からそのタイトル聞くまですっかり忘れていた作品


【ラースとその彼女】   観てみました。






簡単なストーリーはこんな感じです↑



コメディ映画みたいな設定ですが、のっけからコメディ映画臭はなし、さすがに兄嫁夫婦がラースの彼女「ビアンカ」と対面したときのリアクションには吹いたけど


まあその後もちょいちょい吹いたけど。


今みたいな時期の、寒くて寝付けない夜に飲む、しょうが入りのミルクティー みたいな映画でした。 もしくは鍋!アンコウ鍋食べたい…



ひたすらあったかい。くどくてわざとらしいあったかさじゃなく、じんわりあったかい。


とても心の温まる映画でした。勿論あったかいだけじゃなくて、とても素敵な作品だなあと思いました。


リアルドール、まあ昔でいうとこのダッチワイフなんですが本当にきれいでした!


リアルドールを彼女と紹介された兄嫁夫婦はラースを心配し、異国の地でなれないであろうビアンカを診てもらう とゆう理由でラースとビアンカを病院につれていきます。

ビアンカを診断したあと、先生と兄嫁夫婦とで、ラースとその彼女ビアンカどう扱っていくか とゆう話題になるんですが、「ラースを理解してあげよう」ってことになりました。


最初は戸惑っていた兄嫁夫婦ですが、街の人たちにも理解してもらえるよう頼んでまわり


ビアンカは街の人たちに「ラースの彼女」として次第に受け入れられていきます。


その様がほんとにあったかくて、色々染みました。



最後まで観終って、ラースがなぜリアルドールを恋人にしたのか ってゆう疑問は結局映画の中では説明されなかったんですが、観る人によっていろんな見解できるいい余韻を与えてくれてる映画だと思います。




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以降ネタバレになることもある&長いです。めっちゃ書いてます。





そんな理由なんか考えなくても、十分に面白い作品だとは思うんですが、私なりの見解書いてみます。


最初、勘で、ラースは兄嫁のことが好きなのかな?って思って観てたんですが(叶わぬ恋に耐え切れず現実逃避でビアンカにつっぱしった とか)後半になって、そんな浅はかで陳腐な理由ではないんだろうな って思うようになりました。いや、でもありそうっちゃありそうなんですけどね!

ラースを出産したときにラースの母親は亡くなりました。映画中にそのことに触れるのは多分2.3回でした。

ふーん と聞き流していたんですが、ラースが病院の一室で先生とお話しているシーンで、そのことがラースにとってはとてもネックになってるとゆうこと、トラウマに近い何かになっているってゆうことが分かる場面があります。


ラースがビアンカを連れてきたのは、兄嫁が妊娠してからなんですよね これは何かありそうです!


終盤、ビアンカは亡くなってしまいます。


で、思ったのが、兄嫁が出産することでひょっとしたら兄嫁が亡くなるかもしれない恐怖 みたいなのを、ビアンカを犠牲にすること、ビアンカが亡くなることで軽減させようとしたのかな

ってゆうのがひとつです。自分の最愛の人が亡くなるかわりに、兄嫁の命を守りたい そう思ったのかな?そうならその気持ち少し分かる気もします


って思ってたんですがw


ラースの会社に、マーゴとゆう可愛らしい女性がいるんですよね、序盤のシーンで、ラースにあからさまな好意をみせるものの、ラースに冷たくあしらわれたり(ラースは超シャイです)オフィスにくまのぬいぐるみを飾っていて、同僚のフィギュア好きな男性のフィギュアを隠して怒られたり、仕返しでくまをRIPさせられて落ち込んだり とちょっと残念で、でもとても可愛い女性なんですが…


ビアンカとゆう完璧な彼女がいるにもかかわらず、ラースはマーゴを目で追うようになります。


そうなったのは、マーゴに彼氏ができてから かな もとからなのかな


フィギュア好きな同僚男性のフィギュアを隠したばっかりに、ある日マーゴのくまさんがコードでぐるぐる巻きにされて殺されてしまいます。


落ち込むマーゴ


ラースは落ち込むマーゴのそばへ行き、コードでぐるぐる巻きにされたくまちゃんからコードを外し、人工呼吸や心臓マッサージをして蘇生してあげます。

(個人的に超名シーンになりました)


マーゴは落ち込んでる理由を、くまちゃんだけじゃない、実は彼氏と別れた さみしくて付き合っただけだった よければ今度遊ばない?とラースに言います。

ビアンカはこのころ街の人気者になっていて、慈善活動などで大忙しです。それにやきもちに近い何かを感じていたんでしょうか。ラースはマーゴの誘いにokをだし、後日ふたりでボウリングにいきます。

仲間も来て楽しくボウリングをし終わった後、ラースはマーゴに「その…誤解させたら悪いんだけど」と切り出し、ラースはビアンカを愛していること、そして裏切るつもりもないことをマーゴに伝えます。
マーゴは、もちろん分かってる!浮気はしちゃだめよ!みたいな感じで、ラースに気を使わせないようにします。マーゴのいい子さ、報われなさに少し泣けてきます。が、ラースのまんざらでもなさそうな顔にニヤニヤしてしまいます。


が!!!!その少し後かな、ビアンカの容態が悪化します。


救急車で病院に搬送されるビアンカ(くどいようですがリアルドールです)先生が言うにはもう先が長くない 入院もありだけど、ビアンカはラースといることを望んでいるそうです。



先生は、ラースとビアンカのいないところで兄嫁夫婦にそっと言います。「これはすべてラースが決めたことなのよ」




これって、ラースがマーゴラブになってるんじゃない?ビアンカ邪魔になったから病気にしちゃったんじゃない?てゆうかラース自己中かよ!


ってつっこみいれたくなるのが乙女心なんですが、ラースがビアンカによせる愛は多分本物なんですよね だから、好きな人ができたからビアンカの容態が悪化したわけじゃないと思うんです


ビアンカのお葬式では、少しこみあげてくるものがありました。


言葉じゃうまく言えない何か を、映像が上手に伝えてくれます。


ってことで、ラースがビアンカに恋をした理由はきっと


いろいろ重なった   ってことでいいかなって思いますw


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人気者になったビアンカに、ラースが切れるシーンがあります。「君は僕の恋人だろ!?なんで勝手に予定をいれるんだ!」
この喧嘩を聞いていたおばあちゃんが、後からラースに説教します。

「彼女には彼女の人生があるの。あなたは赤ちゃんね!」

動かないし、笑わないし、しゃべらないビアンカが、ビアンカを囲む人たちによって、生きている人 にみえてきます。不思議です。

人が人に優しくするとき、多くは純粋なやさしさだと思うんですが、中には「相手が自分より劣っているから」なやさしさもあると思います。

街の人たちは、ラースが病気になった(頭がおかしくなった) ことをあらかじめ知っています。

でも陰で悪く言うシーン、ほとんどなかったんです。

中にはいるかもしれないけど、出てくる人たちからは、いやらしいやさしさ はあんまり感じられませんでした。

そこにとても報われました。人の嫌なところを描いた映画も確かに面白い んですが、心が少し疲れているときは、きれいごとすぎないやさしい映画 に救われたりします。

あえて言わせてもらうなら 優しいファンタジー映画 ってとこでしょうか

悪人が出てこない映画、ダークさのない映画ってうさんくさくなりがちですが、彼女がリアルドールってゆうシュールなとこがメインになってるおかげで、私は嫌な要素発見できませんでした。



ʕ→ᴥ←ʔ



恋愛の85%くらいは、私は思い込みでできていると思ってます。

その気になれば、きっと何にだって恋できると思います。

そんで、片思いほどピュアな恋愛はないんじゃないかな と思ってます。


そんなことをふっと思い出させてくれる、とてもとてもあったかい 作品でした。


ちなみに多分ラースはビアンカとセックスしてないです。陰でしてたかは分からないけど。

少女漫画にでてくるような純愛なんて「けっ!!!!」「ふざけんなよ!」「やってみないとわからないじゃん!!」と思うヨゴレの私ですが、ラースとビアンカについては、むしろよかったな と素直に思えました。