塔の地下へ落とされたあたしに、エルフの魔女リズがガチャをすすめてきた。
「もんガチャよ」
小妖精の菊池(と呼ぶことにした)が言った。
「もんがちゃ?」
ガチャを回すと…カプセルのかわりに、たまごが一個ころんと転がり出た。ニワトリの卵よりだいぶ大きいアイボリーの殻に、水色の丸い模様がある不思議なタマゴ。
「何が出るかな♪」
wktkしてる菊池は置いといて、たまごを拾おうとしたとき…手が触れる前にタマゴにヒビが入って、勝手にパカッと割れた。
「!?」
「ベリーヾ(>ω<)ノ゛」
出てきたのは…円筒形のケーキ?

こいつ…さっきトウモロコシ畑で見たわ!
「食べていいの?」
あたしは甘党じゃないけど、甘酸っぱい香りが空腹を刺激する。
「ベリー!(>д<)」
捕まえて食べようとするとジタバタするケーキ。頭に乗っかったブルーベリーがころんと転がり落ちた。
「ただのケーキじゃないのよ。この子はブルベリー」
「陸のガチャもんです」
「がちゃもん?」
手を離してやると、ブルベリーは慌てて落ちたブルーベリーを拾いに行く。
「この塔では、あなたと同じ大勢の挑戦者がモンスターのレースで対決してるの」
ブルベリーが落ちたブルーベリーを拾おうとすると体が傾き、残っていたブルーベリーも落ちてしまう。
「ベリー(;д;`)」
「はいはい、拾ってあげるから…」
菊池がブルーベリーを拾ってやり、ブルベリーの頭に乗せ直した。
「レースって…まさか、こいつが走るの?」
「そうです^^」
足はあるみたいだけど、大丈夫かしら…走ったりしたらまたブルーベリーを落っことしそう(ノ∀`)
「レースは陸、水、空のどれかを組み合わせた三つの区間で行われ、走者も三匹必要です」
そういえばこのガチャ、最初の三回は無料って言ってたっけ。
「要するに、このガチャに入ってる魔物を集めて競走させろってこと?」
「そうよ」
「ベリーヾ(>ω<)ノ゛」
「さあ、あと二回ry」
「…やめとくわ」
「えっヾ(゚д゚)ノ゛」
「あたしは盗まれたお弁当を探してるの。遊んでる場合じゃないわ」
「ベリー(・ω・`)」
塔を登っていけば窓くらいあるはず。あたしは飛べるから、いつでも脱出できるし。
「お待ちください」
立ち去ろうとしたあたしを呼び止めるリズ。
(つづく)