読書No.2:「森のコンサルタント」 坂上勝 2018
現在建築家の仕事とする著者は、学生の頃、高級ホテルでベルボーイをしていた。ホテルの利用者との接点から、自分も富裕層になるための何かのヒントを得ようとしていたのだ。
その折、多くの企業にアドバイスを行う一人のコンサルタントに出会い、彼の別荘に招待された。「今、人々が見失っているものは何なのか」。建築を例にそのコンサルタントは問いかけ始めた。
乾燥機を使い、すぐさま木材を乾燥させようとすると木が死んでしまい、木本来の丈夫さが失われてしまう。それを補うため科学的なコーティング剤や接着剤を付加され作られたピアノや家は、とても脆く、かつ人々の健康に害を及ぼすものとなる。これはビジネス上一般的に行われていることである。
目先の利益を追い求めず、時間をかけて木材を乾燥させて元の素材を活かして家づくりを行う行為は、人生を豊かに生きるヒントにも通じるのではないかと考えさせる本。
若い頃の筆者は、少し考えさせられる質問を受けた際に、「いじわるだ。」「すこし難しくなった。」などと幼稚園児のような感想を述べていたところが少し目についた。