『計画』の話。
そもそもの源流を遡るに、浮谷東次郎さんが書いた『がむしゃら1500km』と言う本に辿り着く。
確か新潮文庫から出版されてたと思う。
小学生だった頃に友達の家にあり、少し読んでから月日は流れ、中学生になって読者感想文を書かねばならずその友達の家に貸してくれと頼んで全部読んだ。
『…良く覚えてたなぁ!』
…と、そんな本を持っていたのをと半ば呆れられて、友達は貸してくれた。
夢中で読んだ。
千葉県船橋市に住んで居た、一人の中学生の少年。
父親からドイツ製のクライドラーと言う50ccの原付バイクで、大阪の親類の家を往復した時の物語。
後にこの少年はトヨタの専属ドライバーとなり、レース中に死亡する。
伝説的なドライバーで、あの名車『トヨタ2000GT』は彼の為に作られたと言われています。
だからかなり前の…半世紀近く前の話が源流です。
この『旅日記』が、ずっと自分の心の中にあって憧れがありました。
見知らぬ世界を旅するワクワク感、一期一会の出逢い、アクシデント…。
それらが少年を成長させていってるんですよね、羨ましかった。
『 いつか自分も……!!』
そんな想いがずっとあって、24歳ぐらいだったか、ナナハンを駆って四国を旅した。
それから旅らしい旅はせず、今年になってから『長崎街道』の旅が出来ました。
『週末毎に、また見知らぬ場所を旅したい…!』
欲求は強まります。
自転車乗り専用のリュックを買って、ビジネスホテルに泊まる旅なら直ぐに出来た。
でも、ホントにやりたいのは行き当たりばったりの『旅』。
そもそも、行き当たりばったりでないと旅行と変わらない。
イレギュラーの中にこそ、非日常があるのだから。
自転車乗り専用リュックから、キャリアを取り付けてパニアバックを付ける事に変更。
テントやキャンプ用品を積載する、一番安定したやり方だから。
今はバッグパッケージって、フレームの至るところにバッグをくくりつけるって手法もありますけど、そこそこお金が掛かるし、キャリアとパニアバック取り付けには敵わない。
でも『輪行』を行う際には、このキャリアがネックになるんです。
工具無しで素早くキャリアを外して、輪行袋にキャリアも一緒に収納出来る工夫が必要となり、ネットを漁って『クイックリリース』出来るクランプを発見。
早々に大村の自転車屋さんに行き、説明をして発注。
後輪のクイックリリースのシャフトと、キャリアの下部にこのクランプを取り付けて共締めする事により、素早く工具無しでキャリアを外せるんですね。
その為にはシャフトの長さが足らず、社外品のアルミスタンドを別に取り付ける事により解消しました。
アルミスタンドに付属しているクイックリリースのシャフトが長かったからです。
でも、スタンドの裏面の加工(サンダーで削った)も必要でしたよ…
上部の固定も問題で、別にサドルポストに取り付けるクランプも増設し、蝶ネジで工具無しで取り付け取り外しを可能にしました。
try&errorを繰り返して、クイックリリースの締め込み力だけではスタンドを強く固定出来なかったから、スプリングワッシャーをかませる等の工夫をし、何とかカタチとなる。
キャリアの取り付け強度もバッチリで、自分が乗っても大丈夫でした。
これでもまだまだ計画の半分ぐらいしか出来てません。
これからパニアバック、テント、マット、クッカー(キャンプ用の鍋等)、ランタンetc.…
徐々に揃えて、旅立てるのは早くて秋口かな?
『キャンプは夏だろ!』
…って言われそうですけど、自転車だと汗だくになるし外虫はいるし、マムシとかも怖いんで良いかなと。
ちょっと肌寒いくらいが丁度良いですね、自分としては。
満天の星空の下、『この辺でいいんじゃね?』ってとこにテント張って、外で作って食う飯は旨いだろうなぁ…
酒も普段飲まないけど、旨いよね。
自転車乗ってて思うんですけど、登山と同じ要素があるんですよね。
被る部分が多い。
それは『人力で進んで行く』ってのが一緒だからなのかな?
あ、ちなみに今はアベレージ260km/日となりまして、輪行(JR等を使い、自転車をパッケージして移動する手段)も併用すると九州を網羅出来ます。
二泊三日あれば、北九州から鹿児島辺りまで旅して帰って来れる計算です。
安全なアドバンテージと観光の時間ロスを含めて考えても、半径100kmは手中にあるので行動範囲はかなり広いです。
無計画な行動をする為に、計画的な行動をしています。
日々の日常をリセットする為だけに。
『ナニカ』から、思考を振り払う為に…
航【2ORIGINAL】