ブロックチェーンへの投資額はここ数年で途方もない成長を遂げているが、その投資をもとに様々な新しいアプリケーションのテストと開発が行われている。アーリーアダプターたちはブロックチェーン技術が一般に普及すると信じているが、依然としてそのスケーラビリティーを疑問視する見方も多い。

スケーラブルなブロックチェーンの事例

「7 Big Obstacles To Mass Adoption Of Blockchain Technology」(ブロックチェーン技術のマスアダプションにまつわる7つの難題) の中で、ニクラス・ゴーケ氏はブロックチェーンの普及をインターネットの世界的普及になぞらえる。「商用ウェブ誕生から30年近く経った今、グローバルペネトレーションは50%に迫っています」。私達が抱える全ての問題をブロックチェーンにより早々に解決しておくべきだったと感じるかもしれないが、ブロックチェーン技術は大規模な拡大に伴う障害と課題に直面し始めたばかりであり、全ての新しい技術がそうであるように、ブロックチェーンの普及もゆっくりとした足どりになる可能性が高いと、同氏は論じている。

インターネットが過去30年間で達成した世界的成功をブロックチェンが掴むには、以下の内容を実行する必要がある。

一般利用者にとってフリクションレスにする

ブロックチェーンには現在の実装方法に関連する「摩擦」が存在する :

 

  • 使いづらさ : 取引を行なうのに必要な手順が多すぎるプライマリーアプリケーションの不在 : ブロックチェーン利用のフォーカスは細分化しすぎていて、利用の幅が十分ではない。
  • 機械の不透明性 : ブロックチェーン取引はいまだに一般利用者にとって専門的過ぎる
  • 概して、ブロックチェーンの世界進出で対象となる利用者は技術のポテンシャルにまだ気付いておらず、一般の関心を引くことのできる直接的で一般的な利用例のマーケティングはなされていない。

コミュニティーでコンセンサスを得る

世界的普及を実現するには、まずブロックチェーン技術に関して利用者コミュニティー内でコンセンサスを醸成する必要がある。アーリーアダプターたちが技術の限界を試して新たな可能性や機会を探求する中、産業界もブロックチェーンで実験を行っている。しかし、一般利用者はいまだに他の馴染み深い手段に頼っているので、ブロックチェーン技術自体はふさわしい市場を持っていない。

さらに、ブロックチェーン企業の多様性 (混合型かブロックチェーン専門か)、特定の国々でのICOの禁止、はたまたブロックチェーンの利用に伴うエネルギー消費への懸念といった問題は全て、ブロックチェーン業界が乗り越えなければならない課題として立ちはだかっている。

先を行くイーサリアム

今日数多く存在するのブロックチェーン技術の中でも、イーサリアムが最も信頼性の高いブロックチェーンなのかもしれない。しかしイーサリアムも、エネルギー消費問題やガス、環境への影響に関する混乱など、他の技術と同様にマスアダプションにまつわる問題に直面している。プルーフオブワーク対プルーフオブステークの議論も大きな障害である。これからの道筋についてイーサリアムのコミュニティー内でコンセンサスが得られていないからである。

イーサリアムはいまだに根幹的な課題を抱えているものの、現在運用中のものの中では最も信頼性が高いブロックチェーンなのかもしれない。イーサリアムでは現在、複数の分散型アプリケーション (DApps) が利用されている :

333 ETH

333 ETHは、333 ETH仮想通貨の取引を可能にするオンラインブロックチェーン技術プラットフォームである。333 ETHはこれまで、利用者の信用を築く上で卓越した能力を示してきており、その範囲は元のコミュニティーにとどまらない。サービス対象の利用者は技術に精通しているとは限らず、どのブロックチェーンプロジェクトでも手厚いカスタマーサービスやコミュニティーサポートが必要なので、プロジェクトについてステップバイステップで説明することがなおさら大切である。プロジェクトに参加してトークンを購入する気を起こさせるには、その課題点を念頭に置いて設計を行うことが重要である。

IDEX

IDEXは仮想通貨取引を目的としたプラットフォームだが、その成功は定義された市場の力によるところが大きい。IDEXは仮想通貨を取引して利益を上げることに関心を持つ人々に狙いを定めた。そのオーディエンスはIDEXを見つけると夢中になって利用し始めた。こうして確固たるロイヤルユーザーベースが構築された。仮想通貨取引と従来型の投資プラットフォームは別物だが、進歩的な投資家たちはたいていプラットフォームの利用に必要な技術に馴染みがあるので、より大きな利益を上げられるのであれば新しいツールを試してくれる可能性は高い。

イーサエモン

イーサエモンはブロックチェーンで動作するオンラインゲーミングウェブサイトである。改善を図った産業 (ゲーミング) がブロックチェーンにおける成功を手にした絶好の例である。ブロックチェーンのアーリーアダプターにはビデオゲームプレーヤーが数多く存在し、ゲーミング体験を向上させる新技術を試す意志と興味を持っている。イーサエモンがDAppのトップ10に入っているという事実が、ブロックチェーンが広告業界を含む新しい業界へ進出するポテンシャルを示している。

Varanidaのプロトタイプ : 最大級のイーサリアムDAppの可能性?

Varanidaはデジタル広告業界を改善するために稼働しているプロジェクトである。Varanidaの設立者たちは過去12年間の間、広告に関わる当事者たちの間で働いており、利用者、広告主、パブリッシャーが日々直面する課題を把握している。各当事者間のインタラクションを改善するために、Varanidaはブロックチェーン技術を使用した永続的で順応性のあるソリューションを提供している。

Varanidaプロジェクトを理解する上での鍵は、広告が一種のデジタル通貨であると理解することである。デジタル広告を規制して「無料」コンテンツに定義された価値を与えることで、ブロックチェーン技術を使ってステークホルダーを呼び集めるのが容易になる。さらにターゲット市場は非常に大きく、マーケティングを行なうのは全インターネット利用者に新しいツールを提供するのに等しい。「インターネットでいつも邪魔だったあれを覚えていますか? これで無くなったも同然ですよ」

当社初のプロトタイプは革命的なad-controllerである。要求していない広告の表示を禁止しており、利用者はどの広告の対象になるかや、個人データの使用目的 (または使用禁止目的) を管理できる。

当社のプロトタイプはまだイーサリアムでは動作していない。しかし世界中で13万人以上の利用者が既にダウンロードしているので、一度デプロイされればネットワーク上で最大規模のDAppになる可能性を秘めている。広告主による詐欺の弱体化、利用者によるVADトークンを使用したプレミアムコンテンツへのアクセス、パブリッシャーによるGDPRオプトインの把握など、Varanidaの技術を使った複数のユースケースがVaranidaのDAppの成長ポテンシャルを示している。

結論

ブロックチェーン業界はいまだに成長の初期段階にあるが、数十年前のインターネットと同様、企業家たちにより世界中の産業界で実装される中、ブロックチェーン技術は拡大を始めている。

ブロックチェーンの成長は、特に一般利用者にとっての実用性に関して数多くの困難や障害に直面している。しかし、特定のコミュニティーに的を絞って特定の業界を向上させ、これらの障害を乗り越えることができたDAppも存在する。

Varanidaはマーケティング業界を向上させることに焦点を置いており、より良いインターネットを構築するためにあらゆる当事者と協力を行っている。ワールドワイドウェブは広告業界の支配下にあるとされてきたが、中小企業に有利な規制の欠如によりアンバランスな経済システムが生まれ、大企業のみが恩恵を受けるという状況にある。

 

Varanidaは部分的に分散化したモデルの構築により、インターネット上の全当事者に対して分け前をより平等に分配したいと考えている。改善点は以下の通りである:

  • 利用者による個人データのプライバシー管理を強化
  • デリバリーされたコンテンツに関する透明性を、広告主に対して強化
  • パブリッシャーが利用する仲介業者の数を減らし、増益を実現

インターネットの掃除を手伝う準備ができたら、当社のプロトタイプを試してほしい。より良いインターネットを信じているか、あるいは単にお望みであれば、トークンセールに貢献することで当社をサポートすることが可能である。