私の世界には雨が降らない
じりじりと照りつける太陽と
堪えられないような渇きが支配している。
もう何年も乾きが潤されたことはない。
そんな私が今日生きていられるのは
蜃気楼の向こう側に見たオアシスの存在を忘れることが出来ないからだ。
私は瞬時に理解した
あれが私の目指すべき場所なのだと。
今も辿り着く事無いオアシスに向かって歩いている。
こうしている間にも様々な生き物たちが渇きを潤していることだろう。
この世界で水は無限では無い。
オアシスを独占されてしまうことだってある。
だが私はそんな状況を甘受するつもりはない。
もう私の生きる目的、世界そのものがオアシスの存在に他ならないのだ。
例え何者かが支配していようとも。
例え最後の一滴しか残っていなくても。
私は必ずそこで乾きを癒す。
しかし今はまだ渇きの中だ。