こんにちは、しゅんすけです。

さかのぼること1ヶ月。
ぼくは両親に怒られてもたしなめられても、言うことを聞かず、わがままなふるまいを続けていた。しびれをきらしたぱぱがこう言った。

そんな悪い子のところにはサンタは来ない、いや来たとしてもプレゼントを持って来てくれるのではなく、しゅんのお気に入りのおもちゃを持って行ってしまう。それでもいいのか?

ん、なんだそれは。しばらく考えたあげくにぼくは答えた。

「さんた、いらない。さんた、やだ」

さんたはぼくにとって有害なおじいさんだということがすり込まれた。

以来、ぱぱやまま、あるいはじじばばにサンタさんに何をお願いするか聞かれたが、ぼくの宝物を奪うひとは来て欲しくない、やだやだと答えた。

何度も何度も、サンタの話をされたが、怖くてしょうがない。トーマスやいろっちが取られやしないか、気が気でなかった。

そしてクリスマスの朝、周りが騒がしくて目が覚めた。

ぱぱとままが言う。しゅん、大変だ!サンタさんがおもちゃを持って来てくれたみたいだよ!見て!

…くっ。ついに来てしまったか。嫌すぎるぼくは尋ねた。

「もう、サンタ帰った?バイバイした?」

絶対に会いたくなかった。ようするにぼくの顔を見てから、ぼくのおもちゃを持ち去るつもりだろう。だが、聞くとぱぱとままが起きたときにはすでにサンタはいなくて、プレゼントだけが置いてあったという。

とすると、一体何が? あわててプラレールが敷かれているリビングへ駆ける。そこにはたしかに昨日の夜にはなかった箱が置いてある。

ふみきりと、信号機と、急行列車のゴードンだ!

ぼくは言った。「さんたさん、すごいね」
どうやら本当にぼくにくれるらしい。「さんたさん、よかったねー。さんたさん、よかったあ」

20回くらい繰り返した。なんだ、とてもいいおじいさんじゃないか。

しかし。トーマスが見当たらないとぱぱが言う。ぼくはとっさに思った。引き換えに、トーマスがとられた!? 今までにないほど素早く辺りを探すぼく。ああ、クッションの下に隠れていただけだ。そう、ぼくは本気でサンタさんを信用していなかったのだ。

さらにサンタさんからのおてがみが置いてあって、ぱぱが読んでくれた。何度も何度も、読むようにねだった。

photo:01



ぼくがいい子だって? うれしいなあ。めりーくりすます、めりーくりすます!
なんと翌日にはじいじとばあばの家にもぼくを探してさんたが来てくれたそうで、とどいたおもちゃを持って来てくれた。 クリスマスと、サンタさんがこんなにも素敵だなんて知らなかった。

ただ、お手紙の文章が覚えきれなくて、「ぱぱもままもいいこだね」とつぶやく僕であった。